川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

平和構想提言会議を立ち上げました

日本政府が敵基地攻撃能力保有や防衛費倍増などを含む「安保3文書」改定を図ろうとする中、平和学の研究者やNGO関係者、ジャーナリストなどが集まって、10月29日に「平和構想提言会議」を立ち上げました。政府の「国家安全保障戦略」に対置する「平和構想」の提言を行うことをめざしています。私は、昨秋から進めている「平和構想研究会」(前身は「集団的自衛権問題研究会」)の流れをくんで、今回の提言会議を呼びかけ、学習院大学の青井未帆教授と共に同会議の共同座長となりました。 11月21日には、日本平和学会関東地区研究会との共催で、公開会議を行いました。その様子はこちら▼でご覧になれます。 12月中旬に向けて「平和構想」提言をとりまとめていきますので、どうぞご注目ください。 趣旨等は以下の通りです。  日本政府は、年末までに「国家安全保障戦略」など安全保障関連の3文書を改定する方針です。「防衛力の抜本的強化」を掲げた「有識者会議」が作業を進めており、与党協議も行われています。そして、防衛費を「5年で対GDP比2%以上を念頭に」増額することや、反撃能力という名の敵基地攻撃能力の保有、また、武器輸出の拡大といった政策が議論されています。さらに、そうした政策転換を既定路線として、巡航ミサイル購入などの動きが進んでいます。 これらは、日本国憲法の平和主義の原則を逸脱し、周辺諸国との信頼関係を悪化させ、軍拡競争を助長するきわめて危険な政策です。ウクライナにおける戦争や緊迫する東アジア情勢の中での人々の危機意識に乗じて、いたずらに軍拡に傾斜していくことは、日本とアジアの平和にとって取り返しのつかない事態をもたらす可能性があります。 今本当に必要なのは、日本国憲法の平和主義の原則に基づき、軍拡ではなく軍縮を進めることであり、緊張緩和と信頼醸成のための平和外交を展開することです。そうすることで持続的で安定的な国際関係を構築しない限り、本当の平和も安全保障も実現しません。軍拡のための「戦略」ではなく、平和のための「構想」こそが求められています。 こうした中、10月29日、研究者、ジャーナリスト、NGO活動者らが「平和構想提言会議」を発足させました。15名のメンバーによるこの会議は、政府による「国家安全保障戦略」に対置する「平和構想」を文書にまとめ、12月中旬に発表する予定です。 ●平和構想提言会議 メンバー 青井未帆(学習院大学教授)※ 秋林こずえ(同志社大学大学院教授) 池尾靖志(立命館大学) 内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授) 岡田充(ジャーナリスト) 川崎哲(ピースボート共同代表)※ 君島東彦(立命館大学教授) 清末愛砂(室蘭工業大学大学院教授) 佐々木寛(新潟国際情報大学教授) 申惠丰(青山学院大学教授) 杉原浩司(武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表) 谷山博史(日本国際ボランティアセンター(JVC)前代表理事) 中野晃一(上智大学教授) 畠山澄子(ピースボート) 前泊博盛(沖縄国際大学教授) (計15名、敬称略、50音順。11月21日現在) ※印の2名が共同座長。 ●発足の経緯 研究者、ジャーナリスト、NGO活動者らによる有志の研究会「平和構想研究会」(2021年10月発足、代表・川崎哲ピースボート共同代表)では、今年4月「憲法の原則を逸脱し戦争への危険を高める自民党<安保提言>に抗議する」と題する緊急声明を23名の識者の連名により発表し、各界から600名以上の賛同を得た(https://www.facebook.com/heiwakosoken/posts/5759069647442239)。この取り組みを引き継ぐ形で同研究会が呼びかけて、平和構想提言会議が発足した。10月29日に第1回会議を開催。第2回会議を、11月21日に公開会議の形で行う。12月中旬に「平和構想」提言を発表する予定。 ●問い合わせ先shudantekijieiken@gmail.com (平和構想研究会)

2022/11/24 · Leave a comment

核兵器禁止条約の意義と展望

本日(10月30日)、日本国際政治学会の2022年度研究大会・部会「核兵器をめぐる国際政治の現在」で「核兵器禁止条約の意義と展望」と題して報告させていただく機会を得ました。この報告のために、核兵器禁止条約の成立過程、内容、意義、第1回締約国会議、そして今後の課題について簡潔にまとめたペーパーを作りましたので、ここにご紹介します。概要のまとめということで、どうぞご活用下さい。▼ 「核兵器禁止条約の意義と展望」

2022/10/30 · Leave a comment

NPT再検討会議――最終文書に向けて注目すべきこと

ニューヨークで開催されている核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終週に入りました。8月26日(金)の会期末に全会一致の最終文書に合意できるのかどうかが注目されています。文書に合意できれば会議は成功で合意できなければ失敗というほど、単純なものではありません。何が合意され何が合意されないのかを見ていく必要があります。 以下、核軍縮に関する内容を中心に、先週末にまとめられた主要委員会1(核軍縮)の報告書案(MC.I/CRP.1/Rev.2)をベースに重要な論点を見ていきたいと思います。最終週の交渉の中で、日本をはじめとする各国政府に取り組んでもらいたいポイントについても述べていきます。【8.23追記:なおその後、最終文書案が発表されました(CONF.2020/CRP.1)ので、最終文書における該当パラグラフを斜体で追記します。】<※8月26日9:20am、最終文書案の改訂に伴いさらにTwitter, Facebook上でコメントしています。同15:15、改訂第2案を受けさらにTwitter, Facebook上でコメントしています。> 第一に、核兵器の非人道性と核兵器禁止条約に関してです。パラ29から32【パラ126から129】では、核兵器の非人道性について、2010年の合意に基づきつつ、さらに具体的に詳述しています。とりわけパラ31【パラ128】で、核兵器が「健康、環境、生物多様性、インフラ、食料安全保障、気候、開発、社会の一体性、世界経済」に甚大な影響をもたらすと認めていることは注目されます。 そしてその流れで、パラ33【パラ130】において、核兵器禁止条約の採択、発効、第一回締約国会議開催が「認識(acknowledge)」されています。核兵器禁止条約に関するこうした事実の叙述については、これまで同条約を強く嫌がってきた核兵器国も拒否できないところまで来ていると思われます。ここに、核兵器禁止条約とNPTの補完性への言及が加われば、さらに意義深いものになります。しかし、補完性に関する言及がなかったとしても、NPT再検討会議の最終文書に核兵器禁止条約に関する言及がきちんとなされれば、それだけで、両条約には関連性があることを示すことになります。また、今回のNPT再検討会議の最終文書に核兵器禁止条約への言及が残れば、それは今後、日本が提出する国連総会決議の文面のベースにもなり得るでしょう。 これら核兵器の非人道性や核兵器禁止条約に関する記述に対しては、今後これを削除するようにという核兵器国の強い圧力がかかってくるでしょう。しかし、今ある記述は最低限維持するべきです。日本政府は核兵器国と非核兵器国の「橋渡し」を自任し、核兵器の非人道性についても重視しているわけですから、今ある記述が維持されるようにしっかりと外交努力すべきです。 第二に、核兵器国による「核兵器廃絶への明確な約束」を含む過去の核軍縮合意を再確認することについてです。これについては報告書案のパラ5、9、10、11、12、13、56およびその以下の節にしっかりと書かれています(【パラ106~110、151】)。またパラ28【パラ125】にある「NPTの無期限延長は、核兵器国による無期限の核保有を認めたものではない」という言葉は、パンチが効いていますね。その通りです。こうした認識が最終合意に盛り込まれるかどうかが注目されます。 もちろん、過去合意が再確認されたとしても、それをいつまで経っても実行しないのであれば意味がありません。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が核軍縮の実行のためにタイムラインやベンチマークが必要だといっているのは、そのような理由からです。そのためにこそ、核兵器国が核軍縮の定期的な報告を行うことが重要なのですが、この点について、今回の再検討会議では大きな進展がありません。核兵器国が報告の形式や頻度について「合意するように努力を継続」するなどと、悠長なことを言っています(パラ19【パラ116】)。しかし、既に2015年の再検討会議の際に、報告の形式についてはかなり具体的で詳細なものが提案され、合意されかけていました。(NPT/CONF.2015/R3におけるパラ154の11節。 )こういった議論が今回の会議で前進した形跡がありません。日本政府は「透明性」を重視すると表明していました(岸田首相)が、だとするならこうした報告のあり方についてもっと突っ込むべきでした。今頃「報告のあり方の議論を継続」するなんて、時間稼ぎにもほどがあります。 第三に、核戦争の回避およびロシアによるウクライナへの侵攻と核の威嚇に関してです。パラ22【パラ119】は、今年1月の5核兵器国の声明(「核戦争に勝者はなく、核戦争を戦ってはならない」)について核兵器国が確認していることを歓迎するとしています。しかし、核保有国間の戦争をしてはならないと宣言した翌月に、ロシアは核の威嚇を背景に戦争を開始しました。ですから、このような宣言はただの空文であって、お気楽に「歓迎」している場合ではないという見方もできます。その意味で、パラ22【パラ119】の最後に「すべての核兵器国がこの確認を遵守することの重要性を強調する」という一文が入っていることは重要です。言ったことを守れ、という意味です。最終合意にはこのような強い念押しが必須であり、単に宣言の再確認だけでは意味がないでしょう。 後半のパラ27 (C)【パラ152の下の32 (C)】 は、「核兵器の危険な物言いや、核兵器を使用するとの――とりわけ軍事的威圧、恫喝、脅迫のための――直接的・間接的な威嚇」をしないよう核兵器国に求めています。核兵器の「威嚇」がこれだけ大きな問題になっているのはロシアによるウクライナへの軍事侵攻があるからで、NPT再検討会議の歴史の中でもきわめて珍しいといえます。多くの国がロシアによる核の威嚇を非難してきた一方、西側核兵器国は、ロシアは無責任な行動に出ているが自分たちは「責任ある」核兵器国だと主張してきました。ロシアは、自分たちは威嚇はしていない、単に抑止をしているだけだと主張しています。では、核の威嚇と抑止を明確に区別することはできるのか。「威嚇は悪いが抑止は良い」という主張に説得力はあるのか。この点で、核兵器禁止条約は明確に核兵器の威嚇を禁止しています。NPTはその点で明確ではありませんでした。NPT再検討会議が、核の威嚇を巡って、どのような最終合意に至るのかは、重要な注目点です。 また、パラ48【パラ145】は、ウクライナのNPT加入と共に同国の安全を保証したブダペスト覚書(1994年)を完全に遵守することを求めています。ウクライナに対して軍事侵攻したロシアは明らかにブダペスト覚書に違反したというべきですが、ロシアは「違反していない」と主張しています。どうやらロシアの主張は、ウクライナに対しては核の使用・威嚇をしないししていない、ロシアの核はあくまで西側諸国(NATO)が介入することを抑止するためのものである、したがってブダペスト覚書の中にある「非核兵器国に対して核兵器の使用・威嚇をしない」という部分については違反していないということのようです。仮に百歩譲ってそのような主張があり得ると認めたとしても、ロシアが、同覚書が定めるウクライナの独立、主権、領土の尊重に違反したことは否定のしようがありません。それゆえ、最終合意は、もっと明確な形でブダペスト覚書そのものの意義とその完全遵守の重要性を掲げるべきでしょう。そうでないと、核兵器国による「安全の保証」の根幹が揺らいでしまいます。 その意味で、報告書案が、後半のパラ22 (b)【パラ152の下の27 (b)】において、核兵器国はNPTに締約する非核兵器国に対して「いかなる状況下においても」核兵器を使用・威嚇しないことと書いていることは注目されます。米国などの姿勢は、NPTに締約しかつ「NPTを遵守している」非核兵器国に対しては核兵器を使用・威嚇しないというものです。「いかなる状況下においても」というのはそれを一歩進めた表現です。このような表現に核兵器国が同意するのかどうかは、1つの注目点です。 第四に、核兵器の先制不使用に関してです。現在、核兵器国が核兵器の役割の低減のためにとるべき措置の1つとして報告書案に載っています(後半のパラ6【パラ152の下の15】)。これが、最終文書に向けた議論の中でどうなっていくかが注目されます。 なお、核兵器の役割の低減に関しては、これに先立つ報告書案では、核兵器国と軍事同盟関係にある非核兵器国の課題でもあるという記述がありました。その記述はなくなってしまいましたが(「核の傘」の下にある国々の政府が嫌がったからでしょう)、それでも、パラ25【パラ122】では、核兵器の役割の低減に関して「締約国」が報告すべきであるとしていて、それを核兵器国に限定していません。核兵器に依存する政策をとっている非核兵器国もまた、核の役割低減の報告義務があると解釈すべきでしょう。 第五に、被爆地訪問や核被害者との交流、そして軍縮教育についてです。これは、後半のパラ31【パラ192】に出ています。岸田首相が世界の若者の広島・長崎への訪問を促すための13億円の基金を国連に拠出することを発表した、ということが再検討会議の冒頭で大きく報道されました。しかし、これを単に「広島・長崎への訪問促進」というふうに捉えるべきではありません。報告書案では、若い世代が「核兵器の使用・実験の被害者や被害コミュニティと交流しその経験を学び、その人道上また環境上の影響について知る」ことが重要だとされており、それが軍縮教育の文脈で記述されています。これがこのまま最終文書に反映されるかどうかは分かりませんが、いずれにせよ、広島・長崎が世界の核の被害地・被害者とつながって、核兵器をなくすための世界的な教育を進めていくという視点が重要です。日本が新たに国連に拠出する基金も、そのような観点から有効に使われていく必要があるでしょう。 最後に、その他の課題についても指摘しておきます。今回の会議で大きな焦点となった豪米英(AUKUS)を通じた豪州による原子力潜水艦の取得とそれに関わる保障措置の問題(【パラ36】)や、ザポリージャ原発の状況を含む武力紛争と原発の安全性の問題(【パラ34、35、99、100、102 (g)、160の下の6】)がどのように最終文書に記載されるかはいずれも重要な論点です。なお、日本の六ヶ所での再処理とプルトニウム備蓄の問題は、今のところ取りあげられていないようです。一方で、福島原発事故に伴う処理汚染水の海洋放出の問題について、中国がくり返し問題提起し、太平洋島嶼国からも指摘が出ていましたが、今のところ報告書案には取りあげられていません。この扱いについても、注目が必要です。 2022.8.22(8.23追記)川崎哲<※8月26日9:20am、最終文書案の改訂に伴いさらにTwitter, Facebook上でコメントしています。同15:15、改訂第2案を受けさらにTwitter, Facebook上でコメントしています。>

2022/08/22 · 7 Comments

【7/7】ウィーンの報告、そして今後について、お話しします

ウィーンの核兵器禁止条約第1回締約国会議から帰りました。いろいろありました!簡単には整理できませんが、まもなく7月7日に核兵器禁止条約の採択から5年を迎えるということで、この日にイベントを行います(主催:ピースボート)。題して「禁止条約採択から5年 核兵器のない世界への道筋と課題」。ここで、私なりの締約国会議のまとめと、今後の展望についてお話ししたいと思います。チケット制のオンラインイベントです。詳細・お申込はこちらから。

2022/07/03 · Leave a comment

「核禁ウィーク in Japan」が始まります

核兵器禁止条約の第一回目締約国会議が6月21日からウィーンで開催されます。これに合わせて、核兵器廃絶日本NGO連絡会では、6月17日(金)から24日(金)にかけて“核禁ウィーク in Japan” を開催し、1週間多岐にわたるイベントを展開します。昨日(6月10日)その特設サイトを公開しましたので、ご案内します。 “核禁ウィーク in Japan” 特設サイトhttp://2022banweek.nuclearabolitionjpn.com/ “核禁ウィーク in Japan” 特設サイトでは、期間中のイベント一覧やウィーン現地からの報告を随時掲載していきます。また、核兵器禁止条約について知り、考えるための記事や映像も紹介しています。 ●特設サイトの主な内容ーイベント一覧ー現地からの情報(ウィーンに渡航するNGOメンバーによるSNS投稿へのリンク等)ー関連ウェブサイト、映像、本などへのリンク集 ●期間中の主なイベントー[6/17] オープニングイベント・[6/24] クロージングイベント[核兵器廃絶日本NGO連絡会]ウィーン現地とつないでオンラインで実施します。ー[6/19-23] ウィーンから生中継!カクキン会議速報[ピースボート]期間中毎日ウィーン現地夕刻に、現地の様子を届ける速報番組です。ー[6/18] 核兵器禁止条約と北東アジア[ピースボート & GPPAC]ウィーンのICAN市民社会フォーラム会場と日本、韓国、モンゴルをつないで。ウィーン会場では元広島市長・秋葉忠利さんが発言します。ー[6/19] ウィーンへ届け 被爆地の声![ピースボート & ANT-Hiroshima]広島・長崎とウィーンをつないで行います。広島からはきのこ会(原爆小頭症被爆者と家族の会)、長崎からは原爆体験者の経験と声を世界に届けます。ー[6/21] ウィーンから中継&核政策アンケート発表[カクワカ広島 × ハチドリ舎]参院選に向けて、候補者に回答いただく核政策アンケートの結果を報告します。ー[6/21] 核兵器禁止条約第一回締約国会議 日本が今すぐできる2つのこと:再処理モラトリアムと先制不使用支持宣言[原子力資料情報室]ー[6/22] 第27回公開研究会:記憶をつなぐ船・第五福竜丸ー被ばく者(ヒバクシャ)大石又七との協働をとおして[9条地球憲章の会]ー[6/18] オンライン対話型鑑賞 … Continue reading

2022/06/11 · Leave a comment

【6/8】自民党「安保提言」は何を狙うか~軍拡ではない安全保障の道を探る~

6月8日(水)、平和構想研究会は、院内集会「自民党『安保提言』は何を狙うか~軍拡ではない安全保障の道を探る~」を開催します。国家安全保障戦略の改定に向けて自民党が提案している敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増政策について、批判的に検証します。事前登録の上、どうぞ振るってご参加ください。 院内集会自民党「安保提言」は何を狙うか~軍拡ではない安全保障の道を探る~ 日時:6月8日(水)18時~20時 場所:参議院議員会館 B109会議室(永田町駅、国会議事堂前駅) ※先着70人(事前登録者を優先) 17時30分より、ロビーにて通行証を配布します。 参加受付フォームはこちら>https://forms.gle/scPM55Hka9pWz48G8 講演: 「自民党安保提言の歴史的位置付け」植村秀樹さん(流通経済大学教授) 「戦争させない環境づくりを外交で~ウクライナ戦争からの教訓と自民党安保提言」猿田佐世さん(新外交イニシアティブ[ND]代表) 参加費:無料  自民党は4月21日、年内に予定される「国家安全保障戦略」等の改定に向けた提言を公表しました。①「反撃能力」と言い換えたうえで「指揮統制機能」さえ対象とする実質的な「敵基地攻撃能力」を保有する ②防衛費を「対GDP比2%以上」を念頭に5年以内で倍増させる ③侵略を受けている国に殺傷能力を持つ武器の輸出を解禁する、など従来の安全保障政策を根底から覆す項目が並んでいます。  これに対して同日、平和構想研究会が呼びかけ、「憲法の原則を逸脱し戦争への危険を高める」との緊急声明を発表しました(緊急声明はこちら:https://www.facebook.com/heiwakosoken/posts/5759069647442239)  プーチン政権によるウクライナ侵略を受けて、軍備増強やむなしとする空気が醸成され、政府・自民党からは「台湾有事」を煽りながらの軍拡論が噴き出しています。参議院選挙を前に、自民党「安保提言」の狙いを分析しながら、軍拡ではないもう一つの道を、市民と議員とで考えたいと思います。 主催:平和構想研究会 https://www.facebook.com/heiwakosoken 問い合わせ:shudantekijieiken (a) gmail.com 講師プロフィール: ◆植村秀樹(うえむら・ひでき)さん 流通経済大学法学部教授。1958年生まれ。早稲田大学法学部卒業。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科博士課程修了。2001年から現職。専門は日本政治外交史、安全保障論。著書に『「戦後」と安保の六十年』(日本経済評論社)、『自衛隊は誰のものか』(講談社現代新書)など。 ◆猿田佐世(さるた・さよ)さん 新外交イニシアティブ(ND)代表・上級研究員、弁護士(日本・ニューヨーク州)。基地、原発、安保・防衛などの分野において、米議会などで政策提言活動を行う他、沖縄の人々や国会議員らの訪米活動をサポート。研究テーマは日米外交の制度論。著書に『新しい日米外交を切り拓く』(集英社)、『自発的対米従属』(角川新書)、最新の編著に『米中の狭間を生き抜く』(かもがわ出版)。

2022/06/07 · Leave a comment

核兵器禁止条約第1回締約国会議への日本のオブザーバー参加を求めます

 核兵器禁止条約の第1回締約国会議が、6月21~23日にウィーンで開催されます。岸田首相は、核兵器禁止条約が「核兵器のない世界への出口ともいえる重要な条約」であると認めているにもかかわらず、この会議への参加に消極的な姿勢を続けています。 この会議には非締約国もオブザーバーとして参加することができ、国連事務総長から全国連加盟国に招待状が届いています。議長国オーストリアも、核保有国を含めあらゆる国に開かれた会議としたいという姿勢を当初よりとっています。ノルウェーとドイツは、NATO(北大西洋条約機構)加盟国として米国の核兵器に依存する政策をとる国ですが、オブザーバー参加します。日本は、それでも参加しないというのでしょうか。 日本政府は、締約国会議の前日に開かれる「核兵器の非人道性に関する国際会議」には参加すると表明しています。その政府代表団には、前例を踏襲し、被爆者2名が加わる予定です。被爆国として核兵器の非人道性を訴える立場からすれば、当然のことです。 日本政府は、そのまま核兵器禁止条約の締約国会議にも参加すべきです。そして、核兵器の非人道性を訴え、核兵器廃絶という目標を共有していると表明し、今後の道筋について締約国との議論を深めるべきです。 それすらしないということは、日本は「核兵器の禁止に反対である」というメッセージを世界に発することになります。 ロシアによるウクライナへの戦争の中で、核兵器使用の可能性が現実のものになっています。今こそ核兵器は絶対に許されないという国際規範を強めなければいけないし、被爆国日本はその先頭にこそ立つべきです。その日本が核兵器禁止に反対するというのでは、これから核兵器の保有や使用に走ろうという国々の背中をむしろ押すことになります。 首相はこの条約に「核兵器国が参加していない」ことをことさらに指摘していますが、これは、会議に参加しないことの理由にはなりません。日本政府はこれまで核兵器国と非核兵器国の「橋渡し」をすると言ってきました。核兵器禁止条約に集う非核兵器国との議論を深め、その結果を核兵器国にも伝えていくことこそ「橋渡し」でしょう。 核兵器禁止条約締約国会議では、きわめて具体的な重要課題が議論されます。一つは、核兵器廃棄の検証のあり方です。核兵器の廃棄を多国間で検証する制度は世界には未だ存在しませんが、核兵器廃絶を達成するためには不可欠の課題です。朝鮮半島の非核化を実現するためにも不可欠です。このための議論を進めることは東アジアの安全保障上も有益であり、日本は積極的に貢献すべきです。 もう一つは、世界各地で行われてきた核実験の被害者への援助や環境修復です。被爆者医療などの経験をもつ日本は、この分野で世界でもっとも知見を有する国の一つです。日本が貢献するのは国際的な責務であるともいえます。日本の市民社会は既に提言を発表していますが、政府もまたこのプロセスに積極的に関与し、貢献すべきです。 締約国会議に参加しないということは、こうした重要課題への日本政府の関心の欠如を明らかにするものであり、日本に対する国際的信頼を著しく失墜させるものです。 オブザーバー参加に申込締切はありません。首相は今からでも政治決断し、参加すべきです。国会では、現職国会議員の過半数がオブザーバー参加に賛成を表明しており、その支持は党派を超えています。国会議員の皆さんには、与野党の立場を超えて、岸田首相に対して会議参加の決断を迫るための行動をとってもらいたいと思います。 そのためにも私たち市民一人ひとりが、各党の国会議員に働きかけていくことが必要です。電話、ファックス、メール、メッセージ、様々な手段で働きかけが可能です。この問題への対応を参議院選挙の争点にもしていきましょう。 2022年6月5日川崎哲

2022/06/05 · 1 Comment

【5/22】侵略戦争と人権(ウクライナ戦争への視座―平和学から考える)

日本平和学会(会長:奥本京子大阪女学院大学教授)では、「ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻を非難し、平和を希求する人々と連帯する声明」を理事会有志で2月28日に発表しています。この趣旨に沿って、ウクライナ戦争への視座を平和学の観点から示そうという企画を、同学会の地区研究会において行うことになりました。私は今年から、関東地区研究会の代表をつとめています。関東地区研究会の企画として、来る5月22日に、下記のような企画を行うこととしました。 企画タイトル:<ウクライナ戦争への視座――平和学から考える>「侵略戦争と人権」 日時:2022年5月22日(日)14:00~15:30 形式:オンライン(YouTube配信)一般公開、無料、申込不要アーカイブ▼ 主催:日本平和学会関東地区研究会 企画趣旨:ロシアによるウクライナへの侵略戦争において数々の戦争犯罪や人権蹂躙が行われている。これらを止めていくためには、侵略戦争が進められていく構造を分析しつつ、国際人道・人権法を生かしていく必要がある。今回のイベントでは、日本がかつてアジアで行った侵略戦争も教訓として振り返りつつ、戦争を止め人権を守る道を考える。 報告:申惠丰(しん・へぼん 青山学院大学教授) 人権と平和 ウクライナ危機にみる国内法と国際法の接点笠原十九司(かさはら・とくし 都留文科大学名誉教授)  日本の中国侵略とその教訓内海愛子(うつみ・あいこ 早稲田大学平和学研究所招聘研究員)  裁かれた日本の捕虜政策 ジュネーブ条約の「準用」をめぐって コメント:中束友幸(なかつか・ともゆき 東京大学大学院総合文化研究科博士課程) 司会:川崎哲(かわさき・あきら ピースボート共同代表) 問い合わせ:kawasaki(a)peaceboat.gr.jp (川崎哲) 備考:●終了後は、日本平和学会のホームページにリンクを張り、公開を続けます。●日本平和学会 関東地区研究会 https://www.psaj.org/chiku-kanto [付記]なお、6月4日(土)14:00~には、日本平和学会関西地区研究会主催で<ウクライナ戦争への視座――平和学から考える>「私たちが見ていないもの、そしてモヤモヤ感」と題するイベントが同じくYouTube配信で行われます。語り手:安斎育郎(立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長)ロニー・アレキサンダー(神戸大学名誉教授・ポーポキ・ピース・プロジェクト代表)詳細:https://www.psaj.org/chiku-kansai/

2022/05/15 · Leave a comment

核兵器禁止条約という現実的選択――日本は締約国会議に参加せよ(『世界』6月号)

5月8日発売の岩波書店『世界』6月号に「核兵器禁止条約という現実的選択――日本は締約国会議に参加せよ」と題する文章を寄せました。現在のウクライナ情勢と核兵器の脅威、その中での核兵器禁止条約の意義、6月に開催される第1回締約国会議で議論されること、そしてNGOの取り組みについて概説し、この会議に日本が参加すべきことを論じました。今号は核軍縮特集になっており、中満泉国連事務次長、共同通信の太田昌克編集委員、長崎大学の吉田文彦核兵器廃絶研究センター長らの論考も載っています。こちらからどうぞ。

2022/05/07 · Leave a comment