川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

核兵器Yes or No!? 参議院選挙にあたって議員ウォッチを参考にしてください

参議院選挙の選挙戦がスタートしました。4月に立ち上げた「議員ウォッチ」をぜひ参考にしていただきたいと思います。 議員ウォッチは、すべての現職の国会議員に、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名(通称「ヒバクシャ国際署名」)への賛同の有無を尋ねています。本日現在、ヒバクシャ国際署名に賛同を表明しているのは全国会議員の13パーセントにとどまっています。不賛同を表明したのは1名のみ。その他の約86パーセントは「未回答」です。議員ウォッチのプロジェクトチームは今年1月の発足以来、さまざまな方法でくり返し議員たちに回答を求めてきましたが、回答がこれだけ少ないのは、議員の関心が低いこと、さらには、回答しなくても国民の関心も高くないし問題ないだろうと議員が高をくくっていられる現状を示していると思います。(2019.6.25 毎日新聞ー 「議員ウォッチ」から見える国会議員の実態 運営者「非常に貧弱」) 議員ウォッチでは、現職以外の参議院選挙の候補者にも自身の立場を表明するよう呼びかけてきました。報道されている全予定候補者に公示前に呼びかけました。その結果、本日までに24名が「賛同」の立場を表明し、「不賛同」を表明した方はいませんでした。現職以外の立候補者は273名ということですので、1割弱です。つまり、現職であれ候補者であれ、核兵器の問題に積極的に関心を表明しているのは、国政に関わろうという方々の1割程度だということになります。これは残念な数字でありますが、まあ冷静に考えると、実際そのくらいかなという気もします。 これをどうやって2割、3割、4割へと増やしていくかが、私たち市民の課題だということになります。 ちなみに議員ウォッチでは、ヒバクシャ国際署名への賛同の有無を聞いています。ヒバクシャ国際署名は、すべての国に核兵器禁止条約に加わりすみやかに核兵器を廃絶せよと求める被爆者の訴えに賛同するというものです。ここには、いくつかのポイントがあります。第一に、被爆国日本の政治家として、広島・長崎の被爆者の訴えにどう向き合うのかということです。第二に、すべての国に核兵器禁止条約に加わり核兵器を廃絶することを求めているわけですから、日本や米国や北朝鮮や中国など、どこか特定の国だけに求めているわけではないということです。この署名に賛同した上で、では日本政府がいつ何をすべきかということについては、さらに具体的な政策論があって然るべきだと思います。第三に、賛同するにせよしないにせよ「その理由」を尋ねていますから、どちらの場合もぜひ「理由」を述べてほしいと思います。核兵器廃絶への効果的な道筋にはさまざまな意見があるでしょう。議員や候補者たちが賛同、不賛同の理由を述べ合うことによって、日本の政策がどうあるべきかという議論を促進したい。議員ウォッチは、そのためにあるのです。 議員ウォッチは、皆さんに使っていただくためのツールです。議員に対して質問や意見のメッセージを送る、電話をかける、ファックスすることもできます。候補者の方でまだ登録していない人がいれば、議員ウォッチに登録するよう声をかけてください。そして「選挙だっていわれても、どんな人が立候補しているのか、どんな政党がどんな政策を出しているのか、よくわからない」という多くの人たちに見ていただきたいと思います。議員ウォッチをぜひ周りに紹介してください。

2019/07/05 · Leave a comment

板門店での米朝首脳会談に対するICANの声明

本日行われた板門店での米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長による事実上3回目の首脳会談について、私は、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営委員として、以下の通りの声明をメディア各社に送付しました。 「両首脳によるこの歴史的な面会と握手は、平和に向けた重要な一歩です。しかし、この地域そして世界の運命をトランプ大統領と金委員長の2人の手にゆだねておくわけにはいきません。国際社会が関与し、核兵器禁止条約など国際条約を通じた道をとっていかない限り、朝鮮半島全体の包括的で検証可能な非核化は達成できません。」 「韓国の文大統領が朝鮮半島の平和と非核化に向けて続けている努力は、称賛されるべきものです。韓国は、自らの核兵器への依存を終わらせることによって、半島の非核化にさらに貢献できます。そして日本も、同様の努力をしなければなりません。」 参考:ICANツイッター 報道: June 30, 2019 UPI Trump steps into North Korea in historic DMZ visit, agrees to resume nuclear talks 2019.7.1 朝日新聞 非核化や「拉致」、進展に期待の声 米朝会談

2019/06/30 · Leave a comment

「日米安保条約は不公平で変えるべきだ」というトランプ大統領の発言をめぐって

「日米安保条約は不公平で変えるべきだ」というトランプ大統領の発言をめぐって 2019.6.30 川崎哲 昨日トランプ米大統領が、日米安保条約が「不公平」で「片務的」だから「変えるべきだ」とG20後の記者会見で述べた。私はそのことで朝日新聞の取材を受け、次のように引用されている。  国際交流NGO「ピースボート」共同代表の川崎哲さん(50)も、今回の発言が日米安保改定につながるとは思わないという。「米国が攻撃を受けた時、無条件で自衛隊を海外に送るには、確実に憲法を改正する必要がある。そのハードルは非常に高く、非現実的だ」とみる。トランプ氏は、日米安保が不公平だと日本政府に伝えたと話しているが、日本政府は否定している。双方の食い違いについて川崎さんは「日本政府は内心焦っているのだろうが、嵐が過ぎるのを待っているのでは」と述べた。 ここで述べたことの趣旨をもう少し説明しておきたい。 日米安保条約は、米国は日本が攻撃されたら日本を防衛すると約束する代わりに、日本は米国に基地を提供するという取り引きを基本としている。米国が攻撃されたら日本が米国を防衛するという義務はない。 日米安保条約が「不公平」だと米国側が主張するとすれば、(1)日本は米国を防衛するために兵力を出すべきだ、(2)日本は安保協力のためにもっと金を出すべきだということのいずれかまたは両方だということになろう。 そもそもトランプ氏は、2016年の大統領選当時、日本やNATO諸国など同盟国は「ただ乗り」するな、もっと負担せよと主張してきた。それは彼の「アメリカ・ファースト」の姿勢を象徴し、支持層にアピールした。そのため日本政府は、トランプ大統領が就任したとき、米軍駐留経費の負担増を求めてくるのではないか、また、対日本防衛の約束が揺らぐのではないかとおそれた。そこで安倍首相は、いち早く対トランプ「接待外交」を展開した。そして2017年2月の初のトランプ・安倍会談では、米側から明示的な財政負担増要求はなく、かつ、米国が日本を(核・通常兵器を含む)軍事力で防衛するという約束が明確に再確認されたので、日本政府は胸をなで下ろしたわけだった。 だがその後、日本政府が米国の武器や兵器システムを大量に購入することを約束させられてきた実態が明らかになってきた。北朝鮮が核・ミサイル実験をやめたにもかかわらずイージス・アショアを導入しようとしているのは、その象徴的な例だ。 つまり、「もっと兵を」「もっと金を」という二つの可能性のうち、「もっと金を」については実態が進行している。今回のトランプ氏の発言は「さらにもっと買え」ということかもしれない。あるいは、貿易問題など他の政治課題と絡めてのことかもしれない。 では「もっと兵を」についてはどうか。振り返れば、1991年の湾岸戦争以来、日本が米国の世界的作戦行動にもっと軍事的に貢献せよという主張は、米国の政府や政府系識者らによって一貫して展開されてきた。この圧力の中で日本の自衛隊は1992年から海外展開を始め、その範囲や役割は拡大されてきた。この動きの推進勢力は、日本の憲法9条を日米安保協力の「足かせ」として批判してきた。9条は明文改憲されいないまでも、アフガンやイラク戦争を経て自衛隊の海外任務は拡大し続け、ついには2015年の安保法制で集団的自衛権まで容認されるところまできた。 つまり、一定の条件の下で日本は米国に「兵を出す」制度は作られた。しかし、集団的自衛権はまだ発動されていない。米国が日本に「もっと兵を」という場合、たとえばそれは、今後イランとの戦争が始まった場合に、日本は安保法制を適用して兵をイランに出せということなのか。 2015年の安保法制は、(それじたいが違憲であるという見方もあるが)米国が攻撃されたときそれが日本国にとって「存立危機事態」ならば自衛隊は武力行使できるという内容だ。米国が仮に、それでもなお不満である、米国が攻撃されたら日本は「自動的に」集団的自衛権を行使して参戦せよと言ってきたらどうなるか。そのような要求に日本が仮に応じようとするならば、確実に憲法9条を変えなければならない。そして、安倍自民党が提唱するところの「9条2項を変えて自衛隊を明記する」どころではなく、9条1項にある「武力によって国際紛争を解決しない」という戦争放棄の原則じたいを変えなければならない。私は、そんなことをすべきではないと私自身考えるのみならず、日本国がそのような意思決定に達するということはまったく非現実的なシナリオだと思う。 9条改憲論者である安倍氏は、トランプ大統領の言葉を利用して、「日本は米国とより対等なパートナーになるためにも、憲法9条を変えましょう」と主張しようと思うかもしれない。しかし今のところ、そのような素振りはない。これが憲法論議とリンクされれば、「自衛隊を書き込むだけ」の改憲では済まなくなることが分かっているからかもしれない。 いずれにせよ今回のトランプ発言は、日米安保について、二つの根本的な問題を浮き彫りにした。一つは、日米安保を強化すれば米国が日本が提供する「抑止力」が高まり、日本の安全はより確かになるという日本政府の主張の土台が揺らいだということだ。安保法制を強行する際にも、辺野古の基地建設を推し進める際にも、日本政府はこれで米国は日本を確実に守ってくれるようになると言ってきた。しかしトランプ氏の言動をみれば、米国が「日本の貢献はまだ不十分だ」といって、日本のためにリスクある行動をとらない可能性があることは明らかだ。 もう一つは、日米安保条約は「変わりうる」ということである。いかなる条約も、当事国が真剣に求めれば変えることはできる。日本の政府や人びとは、日米安保条約を不磨の大典のごとくに扱ってきた。私は、核兵器廃絶運動の中で、日米安保条約の下でも核兵器禁止条約に加入することは可能であると言ってきた。日本は米国と他の形での安保協力はするけれども核兵器には一切関わらないということを決めて、関連文書に書き込めばいいだけなのだから。基地問題も同様である、日本政府が、とりわけ沖縄をはじめとする基地周辺住民の被害を真剣に受け止めているのならば、条約や関連協定の改正を求めることは可能である。 トランプ氏の挑発に乗って、では日米安保条約を議論しましょうという話を始めると、米側から膨大な要求を受けるのみならず、憲法や基地といった巨大な箱のふたを開けることになるから、日本政府としてはそんなことはしたくない。そこでトランプ発言を真に受けず「嵐が過ぎる」のを待っているというのが、政府の今日の姿勢だろう。しかし、嵐は過ぎないかもしれない。トランプ大統領にとって、次の選挙戦が近づいているからである。そうなってくると日本政府は、これまでもそうしてきたように、国民に見えない裏で約束をして、そのかわり表ではそういう発言は控えてねという説得工作に入る可能性がある。だからこそ私たちは、政府が何を米国に約束しているのかを常に監視して、情報公開をさせていかないといけない。 (PDFはこちら)

2019/06/30 · Leave a comment

ピースボート平和と音楽の船旅~明子さんの被爆ピアノとともに

今夏ピースボートは、8月6日と9日の原爆の日にそれぞれ広島、長崎に寄港する船旅において、一般社団法人HOPEプロジェクトとの協力のもとで、「明子さんの被爆ピアノ」と「パルチコフさんの被爆バイオリン」を広島から船に乗せ、各地で演奏会を行います。 http://peaceboat.org/28324.html ピースボートは2008年、広島・長崎の被爆者のみなさんの声を世界各地に届ける活動を始めました。しかし、10年以上が経ち、自らの体験を語りながら旅のできる被爆者の方は本当に少なくなってしまいました。「被爆者なき時代」が、もう目前に迫っています。一方、原爆投下後74年の月日は、その被害を知らない世代の関心や理解を薄めています。そんなとき、私たちは被爆遺品である「明子さんの被爆ピアノ」と「パルチコフさんの被爆バイオリン」に出会いました。 「明子さんの被爆ピアノ」の持ち主だった河本明子さん(当時19歳)は8月6日、建物疎開の作業中に被爆しました。家までたどりつくも、翌日「急性放射能障害」で亡くなり、ご両親によって荼毘に付されました。彼女が残した21冊の日記には、日々ピアノを練習したことやショパンが大好きだったことなどが事細かに書かれ、明子さんのピアノはいまも、そのメッセージを運ぶように優しい音色を奏でています。「パルチコフさんの被爆バイオリン」は、ロシア革命を逃れて来日した広島女学院の音楽教師、セルゲイ・パルチコフ先生の持ち物でした。 被爆し、修復され、また再び優しい音色を奏でる2つの楽器の力を借り、あの日キノコ雲の下で何が起こったのかを一緒に想像し、核兵器のおそろしさを感じ、平和の大切さや命の尊さを考える機会をつくりたいと考えています。本プロジェクトには、広島市からの後援もいただきました。 ◆本プロジェクトについて、6月20日に広島で、同24日に長崎で記者会見を行います。詳細はお問い合わせ下さい。(03-3363-7561 ピースボート 担当:渡辺里香、松村真澄) ◆クラウドファンディングでのご支援を呼びかけています。(6月末まで!あと約20万円です。よろしくお願いします!) 今年8月のクルーズには、最初の寄港地・広島から最終下船地の神戸(18日間)まで、各地で演奏会を行います。航海中の演奏家の移動費、調律費用、ドキュメント映像制作など、この企画を有意義なものとするため、みなさんのご支援を、心よりお待ち申し上げます。 こちらから:https://camp-fire.jp/projects/view/143571 ◆口座振り込みでのご支援金も歓迎です。 ◇郵便振替◇ 00180-3-177458 加入者名 ピースボート ※通信欄は「被爆ピアノ」とご記入ください ◇ゆうちょ銀行◇ 支店〇一九(ゼロイチキュウ)店 当座0177458 口座名義 ピースボート ※お名前の前に、「ヒバクピアノ」とご入力ください 「平和と音楽の船旅~明子さんの被爆ピアノとともに」 http://peaceboat.org/28324.html    

2019/06/19 · Leave a comment

NPT準備委員会が始まります

2020年核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第3回準備委員会が、4月29日から2週間かけてニューヨーク国連本部で開かれます。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のキャンペーナー会議なども開かれるため、私は少し前から現地入りして、NPT準備委員会の最初の4日間を傍聴する予定です。 日本からは多くのNGO関係者が参加する予定ですが、ヒバクシャ国際署名連絡会として被爆者を2名派遣し、現地で被爆者証言や訴え、署名への協力要請を行う予定です。 NPT準備委員会の期間中の各種スケジュールや、各国政府の声明、NGOとしての分析などは、NGO「リーチング・クリティカル・ウィル(RCW)」のサイト上で更新されていきます。そこにあるように、準備委員会の中でのNGOの公式発言は5月1日(水)に予定され、ヒバクシャ国際署名としてのサイドイベントは3日(金)の昼休みに行われます(協力:世界宗教者平和会議日本委員会、PEAC Institute)。 NPT準備委員会に先立ち、日本のNGOは外務省との意見交換会を4月23日(火)に開催します。そこで出されるNGOから日本政府への要請や、意見交換の概要については、核兵器廃絶日本NGO連絡会のウェブサイトで報告していきます。同日午後5時からは、同連絡会とヒバクシャ国際署名連絡会の共催で記者会見を渋谷で行い、外務省との意見交換会の様子やニューヨークに派遣される被爆者らによる決意表明などがあります。記者会見の詳細はヒバクシャ国際署名連絡会までお問い合わせ下さい(03-3438-1897 被団協内、info[a]hibakusha-appeal.net ) 日本政府は、2017年に立ち上げた「核軍縮の実質的進展のための賢人会議」から2020年NPT再検討会議に提言を出していくことを中心的な取り組みにしているようです。賢人会議は昨年3月に最初の提言を出したほか、先月京都で第4回会合を行った後「京都アピール」という文書を今年のNPT準備委員会向けに出しています(概要はこちら)。賢人会議の提言がそのまま日本政府の立場になるわけではありませんが、私たちNGOとしては、賢人会議に一歩でも二歩でも前向きな提言を出してもらい、それによって日本政府の政策も牽引していってもらいたいと考え、さまざまな働きかけを行っています。 NPTをめぐる各国の動きについては、広島県が「国際平和拠点ひろしま構想」の一環として行っている毎年の「ひろしまレポート」の最新版が先ごろ公表されましたので、これを参照されるといいと思います(全文はこちら)。核保有国と不詳な非核保有国の昨年の動向が、核軍縮、核不拡散、核セキュリティの観点から詳細に記述され、NPT合意との関係での「評点」もつけられています。私はこのレポート策定の研究委員の一人を務めていて、主に核軍縮の観点からのインプットをさせてもらっています。 NPT準備委員会の期間中の動きについては、英語であれば上記RCWやICANのウェブサイト、関連ツイッター、また、日本語であれば核兵器廃絶日本NGO連絡会のウェブサイトやヒバクシャ国際署名のツイッター(日本語、英語)でフォローしていただきたいと思います。 こうした国際的な動きについて、政府や専門家だけでなく、議員たちにも関心を持ってもらいたいです。なんといっても、国の意思を決定するのは国会であり、それを構成しているのは国会議員ですから。そう考えてこのたび「核兵器 Yes or No!? 議員ウォッチ」を始めました。議員ウォッチのサイトを活用して、核兵器問題についての国会議員らの立場を知り、さらに彼らに問い合わせるなど、アクションを起こしてもらいたいと思います。

2019/04/21 · Leave a comment

核兵器Yes or No!? 「議員ウォッチ」が始まりました

このたび「核兵器Yes or No !? 議員ウォッチ2019」と題して、国会議員らの核兵器に対する立場が一目で分かるスマートホン用のサイトを立ち上げました。 https://giinwatch.jp 2017年に核兵器禁止条約が成立し、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞しました。広島・長崎の被爆者たちは、すみやかな核兵器廃絶を求めて「ヒバクシャ国際署名」を展開しています。しかし日本政府は、核兵器禁止条約には署名しないとしています。これに対して全国の地方議会が政府に同条約への参加を求める意見書を採択しています。しかし、国会におけるこの問題の議論は低調といわざるをえません。 「議員ウォッチ2019」プロジェクトは、こうした状況を憂慮し有志が始めた取り組みです。私が代表を務め、神戸大学大学院生で昨年のピースボート「おりづるプロジェクト」でともに活動した安藤真子さん他ボランティアの方々と進めています。 すべての国会議員の姿勢がスマホを通じて一目で分かり、各議員にスマホを使ってすぐにメッセージを送れる機能をもっています。統一地方選が行われ、参議院選挙も予定されている今、有権者が議員たちを監視し働きかける ためのツールとして、活用していただきたいと考えています。 「核兵器Yes or No!? 議員ウォッチ2019」(https://giinwatch.jp)の概要は、 以下の通りです。 ●全国会議員、全都道府県知事について、「ヒバクシャ国際署名」賛同の有無 ●市区町村について、日本政府に核兵器禁止条約を求める意見書等の有無 ●国会議員については、都道府県別や政党別で検索可能 ●賛同者等の全体におけるパーセント表示 ●これらの情報のリアルタイムでの更新 ●国会議員と知事に対しそのままメッセージ、ツイート、メール、電話できる ●参議院選挙の候補者は、自らの立場を入力し公表させることができる ================= なお、この発表会見を、本日15時より下記の通り行います。 日時 2019年4月19日(金)15時~ 場所 参議院議員会館102号室 (通行証をお持ちでない方には、14:45~一階ロビーで通行証を配布します) 発言者 川崎哲 議員ウォッチ2019プロジェクト代表者 … Continue reading

2019/04/19 · Leave a comment

日本軍縮学会10周年記念論文集に「核兵器禁止条約の意義と日本の課題」を寄せました

日本軍縮学会設立10周年記念の論文集『軍縮・不拡散の諸相』がこのたび信山社から刊行されました。私は「核兵器禁止条約 の意義と日本の課題」と題する論文を寄せています。この論文の中では、核兵器禁止条約と核抑止力依存の関係や、同条約の義務を日本が履行する可能性について論じています。この条約の意義を積極的に捉えた上で、日本が当面とることができる政策について具体的に論じました。政策立案者の方々に是非お読みいただきたいと思います。 とはいえこの本はとても高いので、研究予算などない限り、一般の人が気軽に買えるようなものではありません。各研究機関や図書館等において入荷していただき、多くの方が閲覧できるものになればと思います。 本の詳細、注文はこちらのリンクからどうぞ。

2019/03/28 · Leave a comment

第100回ピースボートが帰港。ブラジルの被爆者・渡辺淳子さんとイベントやります

昨年12月に出航した第100回ピースボートに乗って、ブラジルの被爆者・渡辺淳子さんが4月1日に神戸に到着します。渡辺さんと、おりづるユース特使の森山景さんと一緒に、4月3日に広島で、5日に東京でイベントを行います。1日に神戸で行う記者会見の案内を合わせて、以下のような記者リリースを各社に送っています。ご関心のある方は以下の連絡先にご連絡の上、どうぞお越し下さい。 ———— 報道・メディア関係各位 在ブラジル被爆者の渡辺淳子さんがピースボートに乗って来日し(4月1日に神戸に帰港)、広島(4月3日)と東京(4月5日)で証言会を行います。 2歳のときに広島で黒い雨を浴びて被爆をした渡辺淳子さんは、25歳のときにブラジルに移住しました。そして、38歳のときに広島へ里帰りをした際、自分が被爆者であることを初めて親に聞かされました。渡辺さんは今日「ブラジル被爆者平和協会」の一員として、記憶のない被爆者として後世につなげるメッセージのあり方を探っています。渡辺さんら在ブラジル被爆者の活動の様子は、映画「ブラジルに生きるヒバクシャ」(2012年)にまとめられています。 渡辺さんは、第100回ピースボート(昨年12月日本発、地球一周96日間)に先月ブラジルから乗船し、寄港する南米や太平洋諸国で被爆者としての訴えや核兵器禁止条約の批准要請を、おりづるユース特使の森山景さんと共に行っています。 下記の通り、ピースボート帰港会見ならびに渡辺さんのお話と映画上映のイベントを行いますので、お知らせします。 ■4月1日神戸 帰港会見 日時:4月1日(月) 16:00~ 場所:神戸ポートターミナル3F 兵庫県神戸市中央区新港町4-5 記者会見内容: 第100回ピースボートでの活動、成果。日本での活動予定など。 発言者: 渡辺淳子(被爆者) 森山景(おりづるユース特使) 川崎哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員) ※当日の天候等により時刻の変更が発生する可能性があります。参加希望のメディアの方はなるべく前日までにご一報いただけますようお願いします(連絡先は末尾)。 ■4月3日広島 イベント「ブラジルに生きるヒバクシャ 在ブラジル被爆者の渡辺淳子さんを迎えて」 日時:4月3日(水)18:30~ 場所:広島市 合人社ウェンディひと・まちプラザ 北棟6階マルチメディアスタジオ イベント内容: 映画上映 「ブラジルに生きるヒバクシャ」 (ロベルト・フェルナンデス監督/日本公開版編集:有原誠治/78分) はなし 渡辺淳子(被爆者) 森山景(おりづるユース特使) 川崎哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員) 参加費:無料 … Continue reading

2019/03/27 · Leave a comment

米朝会談の頓挫-国際的な核軍縮枠組みを今こそ

第2回米朝首脳会談に合わせてハノイに来ています。昨年6月のシンガポールでの初会談で朝鮮半島の平和と完全な非核化という目標が合意されていたことから、今回の会談では、その実施のための具体的な行動計画が合意されることが期待されていました。しかし、ハノイでの会談は予定よりも切り詰められ、合意のないまま頓挫するという結果に終わりました。 これは大変に残念なことですが、驚きではありません。イランとの核合意やロシアとのINF条約など、米トランプ政権はこれまで、核兵器を規制する数々の国際枠組みから離脱してきました。つまるところ今回の結果は、ドナルド・トランプと金正恩という二人の不安定な指導者に核兵器交渉を任せておくことの限界を露呈したのです。今必要なのは、より普遍的な、国際社会に根ざした枠組みを再活性化することです。 核兵器禁止条約をはじめ、包括的核実験禁止条約や核不拡散条約など、国際社会には核兵器を禁止また規制する多国間の枠組みが存在します。米朝二国間交渉の頓挫を受け、改めて、これら多国間の枠組みの活性化が緊急に必要であることが浮き彫りになりました。 元来、米朝交渉は韓国の文在寅 大統領のイニシアティブで始まったものといえます。韓国や中国の役割はこれまで以上に大きくなりますし、昨年来シンガポールやベトナムが会談のホスト国となってきたことに見られるように、ASEAN諸国の働きも重要です。国連の枠組みが重要であることはいうまでもありません。日本もまた「様子見」ではなく、多国間の核軍縮枠組みを強化していくために積極的な役割を果たさなければなりません。 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、核兵器禁止条約をはじめとする多国間枠組みに基づいて朝鮮半島を非核化するロードマップを提示してきました。今こそこのようなアプローチが必要です。 会談は頓挫したとはいえ、トランプ大統領は対話を続ける姿勢を示しました。それは、せめてもの救いです。対話を継続させ、一昨年まで北東アジアを覆っていた核戦争の脅威の再来を絶対に防がなければなりません。そのためには私たち自身も市民社会として声を上げ、国際的な核軍縮交渉を前進させていかなければなりません。 朝鮮半島の完全な非核化のためには、北朝鮮と韓国の双方が核兵器禁止条約に加入するのがもっとも確実な道です。そこに日本も加わって、北東アジアを非核化すべきです。北朝鮮に対しては、完全で、期限を区切った、検証の下での不可逆的な核廃棄を妥協なく迫っていくべきです。と同時に、韓国や日本は、米国の核政策に協力することをやめ、この地域に核なき安全保障を築くために努力すべきです。ヒロシマ・ナガサキから74年。私たちが核兵器の脅威を忘れてしまったなら、同じ悲劇がまた繰り返されることになります。 ●ICANのステートメントはこちら ●Newsweekに寄稿した論説はこちら(Akira Kawasaki, “The Trump-Kim Reality TV Show Is Over—The World Needs to Get Serious About Denuclearization”, Newsweek Opinion, March 1, 2019)

2019/02/28 · 2 Comments