川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

米朝首脳会談に対するICANの声明-外交はよい。だが非核化の実質に乏しい

昨日からシンガポールに来ています。その様子は、ICANのウェブサイトやICAN Japaneseのツイッターで発信しています。先ほど首脳会談が終了したことを受けて、ICANが発表した声明をご紹介します。 シンガポールでの米朝首脳会談に対する核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の声明 2018年6月12日 本日、金正恩委員長とドナルド・トランプ大統領がシンガポールにて「合意」に署名しました。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、外交努力を歓迎しつつも、核軍縮を達成し朝鮮半島を完全に非核化することができるのは国際法と既存の条約に基づく枠組みによるプロセスのみであると警告しました。 ICANのベアトリス・フィン事務局長は「トランプ大統領は、一生に一度の記念写真の機会を作りました。内容のない合意に署名するよりも、真に国際法に基づく文書すなわち核兵器禁止条約に署名すべきです。核兵器禁止条約はツイートすることもなければ、帰りの飛行機の中で気が変わることもないし、自分のエゴが傷つけられることもありません。これこそが、実質的な核軍縮を達成することのできる唯一の包括的で検証可能かつ不可逆的な道筋なのです。」 昨日のシンガポールでの記者会見において、ICANは、この地域から核兵器とそれが使われる脅威を取り除くための具体的な計画を発表しました。「朝鮮半島の非核化のための枠組み」は、北朝鮮と韓国双方を非核化するための5つのステップを概説しています。 この計画は、関係諸国に対して、核兵器の受け入れがたい人道上のリスクを認識すること、核兵器禁止条約に加入することによって核兵器を拒否すること、既存の核兵器を検証可能で時間枠を設定した計画の下で除去すること、包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准すること、核不拡散条約(NPT)を通じて国際社会に復帰することを求めています。 ICANの川崎哲国際運営委員は、首脳会談の開かれたカペラホテルの前で、両首脳の合意に対して次のように述べました。「米朝両国が新しい関係を確立し朝鮮半島に持続的で安定的な平和を築くことを誓約したのは前向きなことであり、韓国の文在寅大統領の外交が巧みであったことの証です。」川崎国際運営委員はさらに「核兵器のある平和は持続的ではありません。本当の平和は、国際法で禁止された大量破壊兵器である核兵器を除去することによってのみ達成されるのです。私たちにはすでに、それを達成するための国際条約があります。私たちは引き続き、すべての関係国に核兵器禁止条約に加入することを求めていきます。ICANによる5つのステップの提案は、これから始まるプロセスの手引きとして役立つはずです」と述べました。 連絡先 川崎哲 +81 90 8310 5370 メリ・ジョイス +81 80 3457 9714 (6月13日夜まで在シンガポール) 原文: http://www.icanw.org/campaign-news/unsubstantialican-responds-trump-kim-summit-signed-statement/ Advertisements

2018/06/12 · Leave a comment

今夏のピースボート地球大学「特別プログラム」の参加者を募集しています

今年8月末から9月にかけて第99回ピースボートの船上で行われる地球大学「特別プログラム」の参加者を募集しています。締め切りは5月末日です。地球大学「特別プログラム」は、日本だけでなくアジア太平洋地域を中心とするさまざまな国の学生が一堂に会してすべて英語で行うプログラムです。今年は「ともに築くアジアの平和」をテーマに、日本(広島)、中国(厦門)、シンガポール、カンボジア(シェムリアップ、プノンペン)を訪問する全19日間。ナビゲーターに伊勢﨑賢治(東京外国語大学)、エマ・レスリー(カンボジア・Center for Peace & Conflict Studies事務局長)、ジョン・ジー(シンガポール・Transient Workers Count Two)の各氏を迎え、私がピースボートスタッフの畠山澄子と共にコーディネートいたします。国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の第16目標「平和で公正な社会」をアジア太平洋で実現していくためにできることを、皆で意見をぶつけあって議論します。 詳細並びに問い合わせ・申し込みはこちらから。

2018/05/18 · Leave a comment

第98回ピースボート「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」が出航しました

5月8日、第98回ピースボート「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」が横浜から出航しました。この船旅には、上田紘治さん、倉守照美さんの2名の被爆者と、被爆二世の品川薫さんが参加しています。出航にあたり記者会見を行い、ICANのノーベル平和賞のメダルと賞状を乗せて世界各地で証言会を行いますという発表をしました(記者会見の様子とプロジェクト概要はこちら)。訪問する各地や船内での活動の様子は、おりづるプロジェクトのブログに更新していきます。どうぞご覧ください(こちら)。

2018/05/14 · Leave a comment

平和は私たちが作るもの。ノーベル平和賞メダル(武器ではなく)を手に行動しよう

憲法記念日の前日にあたる5月2日、ピースボートで記者会見を行い、昨年ICANがいただいたノーベル平和賞のメダルと賞状を、これから地球一周&全国出張させていきますという発表をしました。昨年のノーベル平和賞は、核兵器禁止条約の成立に対して貢献した世界的なNGO・市民運動の連合体であるICANに贈られました。広島・長崎の被爆者や世界各地の核実験被害者が、この運動の先頭に立ってこられました。この平和賞は、こうした核の被害者をはじめ、核兵器の禁止と廃絶のために努力してきたすべての人たちに向けられたものです。 そこで私たちは、この平和賞のメダルと賞状を、国内外なるべく多くの人たちに見てもらい、手にとってもらいたいと思いました。ピースボートの地球一周の船旅で、被爆者の証言会を行いながら世界中の人々にお見せしていくと同時に、国内でも「展示や撮影会などの企画に使用したい」という方々の申し込みを受け付けます(詳しくはこちら)。8月には、広島・長崎の両資料館で展示されます。ぜひ、ノーベル平和賞メダルと賞状をご自身の目で見て、できれば手にとって、平和のために自分に何ができるか考えて、行動してほしいと思います。 翌3日の東京新聞には「平和賞メダル貸します」という見出しでこのことが報じられたほか、なんと10年前の「9条世界会議」のことが特集で取り上げられています。私はこの世界会議の実行委員会事務局長をつとめましたが(それは本当に大変な仕事でしたが)、なぜあの会議を開いたのか、どのような意義があったのかということについて長いインタビューで話をさせてもらいました。9条は「世界の宝」という見出しの記事で、日本の憲法9条が国際的に評価された主要な10の国際会議が並んでいますが、私はこのうち7つに参加しており、これらのいくつかの提言や宣言の策定過程にかかわってきましたので、このような形でまとまった記事が出たことは感慨深いです。 いま朝鮮半島の非核化と平和が大きなテーマになっています。核や武力の脅しでは、結局のところ非核化も平和も達成できません。外交交渉を行い、きちんとした国際ルールを定めていくことが答えです。現実の情勢も、その方向に動いています。核の脅しに対しては、核の脅しで返すのではなく、核兵器禁止条約を使う。それが答えです。日本の9条は「武力によらずに平和を作る」ということをうたっていますが、核兵器禁止条約はそのような精神の一つの具現化です。核兵器禁止条約に反対する日本政府の姿勢は、戦後平和憲法の精神をふみにじるものです。    

2018/05/04 · Leave a comment

imidasに殺人ロボットに関するインタビュー記事が載りました

集英社「imidas」サイト上のコラム「戦場のリアル」のコーナーに、このたび、「“ロボット戦争”の時代」と題して私のインタビュー記事が載りました。ライターの加藤直樹さんの手によるものです。この記事では、今年出版された『マンガ入門 殺人ロボットがやってくる!?』(合同出版)の内容にも触れながら、「人間が関与することなく自律的に人を殺すロボット兵器」の登場についてお話ししています。これは、SFの話ではありません。既に「対テロ戦争」の現場では、ドローン(無人機)による戦争が主流になっています。ドローン、ロボットや人工知能(AI)の発展が戦争や軍事にどうつながっているのか、それが人権や平和にどういう意味を持つのかについて、考えるきっかけになればと思います。 ●imidas「戦場のリアル」第24回 川崎哲 「ロボット戦争」の時代 2018.4.10 ●川崎哲+畠山澄子(著)、新名昭彦(漫画)『マンガ入門 殺人ロボットがやってくる!? 軍事ドローンからロボット兵器まで』合同出版(注文はこちら)

2018/04/11 · Leave a comment

AERA「現代の肖像」で紹介されました

本日(3月12日)発売の週刊誌『AERA』(3月19日号)の「現代の肖像」のコーナーで紹介されました。ライターの山岡淳一郎さん、写真の高井正彦さんに、この数カ月間たいへんお世話になりました。核兵器廃絶や平和のための活動をするにあたっての考え方や、学生時代から今日までのことなどを、いろいろとインタビューを重ねてまとめてくださいました。自分で論評するのは小恥ずかしいので、気になる方は是非お買い求めになってください。こちらから。

2018/03/12 · Leave a comment

米朝が非核化交渉へ?今こそ核兵器禁止条約の出番だ

北朝鮮の金正恩委員長が米国との対話を提案し、韓国が米国に伝達、トランプ米大統領がこれに応じたとのニュースが昨日流れた。 北朝鮮が非核化の用意があるといっても信用できない、というのが大方の反応だろう。「対話のための対話に意味はない」「核開発の時間稼ぎではないか」といった指摘が多い。だが逆に、どういう非核化であれば信用できるのかを考えてみたい。 日本政府は、完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄が必要だと言っている。私もそう考える。問題は、何をもってすれば、完全かつ検証可能で不可逆な核廃棄であると信頼をもって言えるのか、ということだ。 核兵器禁止条約の交渉過程でも同じことが議論された。核兵器を解体するだけではダメで、核兵器の計画やインフラをすべて廃棄する。国際機関の検証の下で廃棄させる。不可逆性を担保する、すなわち再び核武装をできないところまで廃棄させる。これらを、一定の時間枠の中で行う。 こうした交渉の中で、核兵器禁止条約第4条は、核兵器を持つ国が同条約に加入すると言ってきた場合には「国際的な検証下で、一定の時間枠の中で、不可逆的な形で」核兵器を廃棄させるということを定めた。北朝鮮が本当に非核化すると約束した場合には、このことを適用して、核を放棄させる必要がある。 北朝鮮の言うことは「信用できない」と言い続けていても、状況は変わらない。むしろ、信用に足る核廃棄とはどのようなものか、検証制度のあり方も含めた条件をつくるべきだ。その条件を提示して、それをのめば一定程度信頼するが、それをのまないのなら受け入れない、というふうに交渉すべきだ。 なので、今必要なのは、米朝交渉が進んで北朝鮮が本当に非核化を飲むか飲まないかという段階にいずれ至るだろうことを想定して、「本当の非核化のために提示すべき条件」を作ることだ。国際的な検証体制のあり方がその鍵を握る。 北朝鮮の核廃棄を国際的にどのように検証するか。これは国際社会にとって極めて新しく、かつ、困難な課題だ。方法としては①北朝鮮に核兵器禁止条約に加入させ、その下で核を廃棄させる、②北朝鮮に特化した国際的検証制度をつくる、の二択がある。 核兵器禁止条約の下で検証する場合も、北朝鮮に特化した検証制度を作る場合でも、技術的な課題は基本的には同じだ。しかし、普遍的な核兵器禁止枠組みの中での検証を追求する方が、核兵器の普遍的違法化という理念からも、利害関係国の恣意的な運用を避けるという意味でも、ベターだろう。 つまり、今こそ核兵器禁止条約の出番である。同条約は、第4条で、時間枠をもった検証可能で不可逆的な核廃棄を定め、その詳細は今後締約国会議で議論して議定書として定めるとした。北朝鮮の核を廃棄させたい日本としては、この検証の議定書作りに参画し、北朝鮮を禁止条約に迎え入れる準備をすべきだ。 もちろん非核化合意に達するまでには長い道のりだ。米国はその間制裁は続けると言っているし、日本では「抑止力の強化が必要」という論調が強い。だが「抑止力」とは、すなわち攻撃するとの脅しのことだ。大事なのは相手の暴走を「予防」することである。脅しによる抑止は、予防策の一部に過ぎない。 北朝鮮に対する抑止力を強化するといっても、北朝鮮を攻撃して破壊するというような脅しによる抑止力をもちうるのは米国だけである。結局、米国頼みになるだけだ。米国は北朝鮮と直接に交渉していくわけだから、どこかで「これ以上は攻撃しません、脅しません」という手を打つことは避けられない。 米国の抑止力が不確かだ、という議論が高まっていけば、日本の中で、じゃあ日本にも独自の抑止力が必要だという声が高まって、やれ、核武装だとか米国の核を日本に配備し日本もその運用に関わるべきだといったことをいう人が出てくるだろう。ちょっと待て。日本は北朝鮮と核軍備競争をしようというのか。 つまり「相手を攻撃し破壊する力を持つこと(=抑止力)による安心感」にだけ頼って国の安全保障を追求していったら、際限ない軍備競争の悪循環に陥る。日本はそこに既に片足を突っ込んでいる。「相手の軍縮を国際的に検証することによる安心感」へと、少しずつでも、シフトしていかなければいけない。 軍縮の国際的検証が必要だと言うと、そんなの理想論だ、信用できない、という反応がすぐに返ってくる。たしかに軍縮の国際的検証には課題が多い。不完全なことはもちろん認める。だが、じゃあ軍事力のみが信用に足ると走っていったら、世界の核軍備競争は止められない。それが安全な世界か。 北朝鮮が非核化を言っても信用できない。それはそうだ。だが、だから米国の抑止力を強化せよ、と言い続けても、解決の道筋は見えない。だから北朝鮮の非核化を検証できる信頼に足る国際制度の構築を今から準備し、日本がそこにしっかりと関与する。日本が関与した国際的検証の下で北朝鮮を非核化させる。 北朝鮮が核兵器禁止条約に加入するのと引き替えに、韓国と日本も同条約に加入するべきだ。これにより、北朝鮮の核は国際的検証下で廃棄されることになる。一方、韓国と日本には核を配備しないこと、また、両国は北朝鮮に対する核攻撃を援助、奨励しないことが法的義務となる。フェアな取引だ。 北朝鮮、韓国、日本が核兵器禁止条約に加入する。同時に米国は北朝鮮に対して核兵器を含む攻撃をしないこと、体制を保証することを約束する。これらをベースにして、2005年9月に六者協議が合意したところの「北東アジアにおける持続的な平和体制」を追求すべきだろう。 (2018年3月10日、ツイッターで述べたことをまとめました)

2018/03/10 · Leave a comment

核兵器のない世界へ

2018.2.10 「核兵器禁止条約は世界を変える」 ヒバクシャ国際署名京都の会、京都原水爆被災者懇談会、京都府生活協同組合連合会主催、講演会「核兵器で平和は守れるか?」におけるプレゼンテーション 2018.2.7 「核兵器禁止条約と日本の役割」(発言原稿、配布資料) 参議院国際経済・外交に関する調査会における意見陳述 ※インターネットでの動画視聴は、参議院のウェブサイト(こちら)から、2018年2月7日を選択し「国際経済・外交に関する調査会」を選択してください。 2017.12.18 「核兵器禁止条約と市民がつくる平和」 宇都宮大学国際学部主催、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)ノーベル平和賞受賞記念公開講演会でのプレゼンテーション ★ノーベル平和賞授賞式関連のメディア向け資料はこちら 2017.11.30 第27回国連軍縮会議in広島(広島国際会議場)、セッション3「核軍縮・不拡散の見通し~核兵器禁止条約の採択を受けて~」における発題 2017.11.26 「核兵器禁止条約と市民運動の課題」 日本平和学会2017年度秋季研究集会(香川大学)における核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)ノーベル平和賞受賞記念スピーチ 2017.11.21 核兵器は廃絶できる 核兵器禁止条約の意義と日本の課題 世界人権宣言大阪連絡会議第399回国際人権規約連続学習会(ドーンセンター)における講演プレゼンテーション 2017.10.30 「なぜ、日本は核兵器廃絶に及び腰なのか?」太田昌克×川崎哲×佐藤丙午×荻上チキ(音声) TBSラジオ荻上チキ・Session-22 2017.10.14 東京新聞(動画)「ノーベル平和賞決定 ICAN川崎哲さんインタビュー」 2017.10.11 THE PAGE(動画)「ノーベル平和賞の「ICAN」国際運営委員、川崎哲氏が会見」 2017.10.9 毎日新聞(動画)「ノーベル平和賞:「みんなおめでとう」 … Continue reading

2018/02/11 · Leave a comment

憲法9条

2017.11.3 安倍9条改憲NO! 11.3国会包囲大行動でのスピーチ(国会正門前) 川崎哲(ピースボート共同代表) 2017.11.1 積極的平和主義-実際には何をしようということなの? PARC自由学校「現代社会を知るための10のキーワード」におけるプレゼンテーション 2016.8.19 成立から一年で問う 安保法制で「平和」は近づいたのか 集団的自衛権問題研究会代表としての声明。 2016.8.20 戦争と平和の線引き-改憲論と平和学者の課題 日本平和学会ニューズレター(第22巻第2号)の巻頭言。 2016.5.1 自衛隊派遣を自己目的化するな-アフリカでのPKO・海賊対処任務を見直せ 集団的自衛権問題研究会News&Review第12号に掲載の論考。 2016.3.29 安保法施行にあたって-安保法の発動を抑え、現実を見据えた議論を 集団的自衛権問題研究会代表としての声明。 2016.2.25 紛争下の南スーダン-駆け付け警護の前に議論すべきこと/南スーダンに「国家に準ずる組織」は存在しない? 集団的自衛権問題研究会News&Review第11号に掲載の論考とコラム。 2015.12.8 南スーダンPKO、自衛隊、安保法制 集団的自衛権問題研究会と明治大学社会情報研究会共催の公開研究会「検証・南スーダンPKO~安保法制でどうなる」におけるプレゼンテーション 2015.10.16 安保法制 日本はどこへ向かうのか SEALDs TOHOKU・「安全保障関連法案」に反対する東北大学教職員有志共催によるシンポジウム「これからの日本の民主主義と安全保障を考える」における講演のプレゼンテーション。 2015.9.17 … Continue reading

2017/11/04 · Leave a comment