被団協新聞の1月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
核抑止の危険性
核兵器禁止条約第2回締約国会議の決定事項の中で注目されるのは「核兵器に関する安全保障上の懸念」についての協議プロセスを始めることだ。核兵器の非人道性とリスクに関する新しい科学的根拠に基づき「核兵器の存在および核抑止論」からもたらされる「安全保障上の懸念、脅威、リスク」を議論する。通常「安全保障上の懸念」というと軍拡や核保有を正当化する文脈で使われることが、核兵器や核抑止論そのものが「安全保障上の懸念」なのだという議論である。オーストリアが牽引し、25年3月の次回締約国会議にまとめと提言を出す。
この協議は条約締約国と署名国の間で行われるが、赤十字やICAN、「その他の関係者や専門家」も関与する。日本政府は「賢人会議」の専門家らがこの議論に加わることを促してはどうか。核抑止に依存した安全保障がいかに危険かを客観的に論ずる好機である。(川崎哲、ピースボート)
Recent Comments