川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

NPT準備委員会が始まります

2020年核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第3回準備委員会が、4月29日から2週間かけてニューヨーク国連本部で開かれます。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のキャンペーナー会議なども開かれるため、私は少し前から現地入りして、NPT準備委員会の最初の4日間を傍聴する予定です。 日本からは多くのNGO関係者が参加する予定ですが、ヒバクシャ国際署名連絡会として被爆者を2名派遣し、現地で被爆者証言や訴え、署名への協力要請を行う予定です。 NPT準備委員会の期間中の各種スケジュールや、各国政府の声明、NGOとしての分析などは、NGO「リーチング・クリティカル・ウィル(RCW)」のサイト上で更新されていきます。そこにあるように、準備委員会の中でのNGOの公式発言は5月1日(水)に予定され、ヒバクシャ国際署名としてのサイドイベントは3日(金)の昼休みに行われます(協力:世界宗教者平和会議日本委員会、PEAC Institute)。 NPT準備委員会に先立ち、日本のNGOは外務省との意見交換会を4月23日(火)に開催します。そこで出されるNGOから日本政府への要請や、意見交換の概要については、核兵器廃絶日本NGO連絡会のウェブサイトで報告していきます。同日午後5時からは、同連絡会とヒバクシャ国際署名連絡会の共催で記者会見を渋谷で行い、外務省との意見交換会の様子やニューヨークに派遣される被爆者らによる決意表明などがあります。記者会見の詳細はヒバクシャ国際署名連絡会までお問い合わせ下さい(03-3438-1897 被団協内、info[a]hibakusha-appeal.net ) 日本政府は、2017年に立ち上げた「核軍縮の実質的進展のための賢人会議」から2020年NPT再検討会議に提言を出していくことを中心的な取り組みにしているようです。賢人会議は昨年3月に最初の提言を出したほか、先月京都で第4回会合を行った後「京都アピール」という文書を今年のNPT準備委員会向けに出しています(概要はこちら)。賢人会議の提言がそのまま日本政府の立場になるわけではありませんが、私たちNGOとしては、賢人会議に一歩でも二歩でも前向きな提言を出してもらい、それによって日本政府の政策も牽引していってもらいたいと考え、さまざまな働きかけを行っています。 NPTをめぐる各国の動きについては、広島県が「国際平和拠点ひろしま構想」の一環として行っている毎年の「ひろしまレポート」の最新版が先ごろ公表されましたので、これを参照されるといいと思います(全文はこちら)。核保有国と不詳な非核保有国の昨年の動向が、核軍縮、核不拡散、核セキュリティの観点から詳細に記述され、NPT合意との関係での「評点」もつけられています。私はこのレポート策定の研究委員の一人を務めていて、主に核軍縮の観点からのインプットをさせてもらっています。 NPT準備委員会の期間中の動きについては、英語であれば上記RCWやICANのウェブサイト、関連ツイッター、また、日本語であれば核兵器廃絶日本NGO連絡会のウェブサイトやヒバクシャ国際署名のツイッター(日本語、英語)でフォローしていただきたいと思います。 こうした国際的な動きについて、政府や専門家だけでなく、議員たちにも関心を持ってもらいたいです。なんといっても、国の意思を決定するのは国会であり、それを構成しているのは国会議員ですから。そう考えてこのたび「核兵器 Yes or No!? 議員ウォッチ」を始めました。議員ウォッチのサイトを活用して、核兵器問題についての国会議員らの立場を知り、さらに彼らに問い合わせるなど、アクションを起こしてもらいたいと思います。

2019/04/21 · Leave a comment

核兵器Yes or No!? 「議員ウォッチ」が始まりました

このたび「核兵器Yes or No !? 議員ウォッチ2019」と題して、国会議員らの核兵器に対する立場が一目で分かるスマートホン用のサイトを立ち上げました。 https://giinwatch.jp 2017年に核兵器禁止条約が成立し、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞しました。広島・長崎の被爆者たちは、すみやかな核兵器廃絶を求めて「ヒバクシャ国際署名」を展開しています。しかし日本政府は、核兵器禁止条約には署名しないとしています。これに対して全国の地方議会が政府に同条約への参加を求める意見書を採択しています。しかし、国会におけるこの問題の議論は低調といわざるをえません。 「議員ウォッチ2019」プロジェクトは、こうした状況を憂慮し有志が始めた取り組みです。私が代表を務め、神戸大学大学院生で昨年のピースボート「おりづるプロジェクト」でともに活動した安藤真子さん他ボランティアの方々と進めています。 すべての国会議員の姿勢がスマホを通じて一目で分かり、各議員にスマホを使ってすぐにメッセージを送れる機能をもっています。統一地方選が行われ、参議院選挙も予定されている今、有権者が議員たちを監視し働きかける ためのツールとして、活用していただきたいと考えています。 「核兵器Yes or No!? 議員ウォッチ2019」(https://giinwatch.jp)の概要は、 以下の通りです。 ●全国会議員、全都道府県知事について、「ヒバクシャ国際署名」賛同の有無 ●市区町村について、日本政府に核兵器禁止条約を求める意見書等の有無 ●国会議員については、都道府県別や政党別で検索可能 ●賛同者等の全体におけるパーセント表示 ●これらの情報のリアルタイムでの更新 ●国会議員と知事に対しそのままメッセージ、ツイート、メール、電話できる ●参議院選挙の候補者は、自らの立場を入力し公表させることができる ================= なお、この発表会見を、本日15時より下記の通り行います。 日時 2019年4月19日(金)15時~ 場所 参議院議員会館102号室 (通行証をお持ちでない方には、14:45~一階ロビーで通行証を配布します) 発言者 川崎哲 議員ウォッチ2019プロジェクト代表者 … Continue reading

2019/04/19 · Leave a comment

[2019.4] 米朝とベトナム

被団協新聞の4月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 米朝とベトナム 米朝会談に合わせてハノイを訪れた。朝鮮半島非核化へのICANの提言を関係政府やメディアに伝えるためだ。現地では両国旗が街中に並び国を挙げて会談を歓迎していた。 社会主義国ベトナムは北朝鮮と長い友好関係を持つ。昨年のシンガポール同様、米朝ともに良好な関係で治安もよいことが開催地に選ばれた理由だろう。 現地市民団体のリーダーが「ベトナムには朝鮮の人たちに伝えられる経験がある」と誇らしく語っていたのが印象的だ。50年代の朝鮮戦争も60~70年代のベトナム戦争も、米ソ対立を背景に国が分断されての戦争だった。今日のベトナムは、かつての敵国と関係を密にし経済発展に邁進している。この会談の誘致じたい、そうした戦略の一環だ。二回にわたる会談で、えられた非核化の成果は限定的だが、東南アジアの独自外交力は世界に強く示された。(川崎哲、ピースボート)    

2019/04/18 · Leave a comment