川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

今夏のピースボート地球大学「特別プログラム」の参加者を募集しています

今年8月末から9月にかけて第99回ピースボートの船上で行われる地球大学「特別プログラム」の参加者を募集しています。締め切りは5月末日です。地球大学「特別プログラム」は、日本だけでなくアジア太平洋地域を中心とするさまざまな国の学生が一堂に会してすべて英語で行うプログラムです。今年は「ともに築くアジアの平和」をテーマに、日本(広島)、中国(厦門)、シンガポール、カンボジア(シェムリアップ、プノンペン)を訪問する全19日間。ナビゲーターに伊勢﨑賢治(東京外国語大学)、エマ・レスリー(カンボジア・Center for Peace & Conflict Studies事務局長)、ジョン・ジー(シンガポール・Transient Workers Count Two)の各氏を迎え、私がピースボートスタッフの畠山澄子と共にコーディネートいたします。国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の第16目標「平和で公正な社会」をアジア太平洋で実現していくためにできることを、皆で意見をぶつけあって議論します。 詳細並びに問い合わせ・申し込みはこちらから。

2018/05/18 · Leave a comment

第98回ピースボート「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」が出航しました

5月8日、第98回ピースボート「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」が横浜から出航しました。この船旅には、上田紘治さん、倉守照美さんの2名の被爆者と、被爆二世の品川薫さんが参加しています。出航にあたり記者会見を行い、ICANのノーベル平和賞のメダルと賞状を乗せて世界各地で証言会を行いますという発表をしました(記者会見の様子とプロジェクト概要はこちら)。訪問する各地や船内での活動の様子は、おりづるプロジェクトのブログに更新していきます。どうぞご覧ください(こちら)。

2018/05/14 · Leave a comment

[2018.5] 北朝鮮との交渉

被団協新聞の5月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 北朝鮮との交渉  前号で、北朝鮮が体制保証と引き替えに段階的な核放棄を約束する可能性はあると書いた。実際4月20日、北朝鮮は核・ミサイル実験の中止と核実験場の廃棄を発表した。核保有国ではあり続けるが、これ以上の核兵器開発はしないという意味にとれる。長距離ミサイルを発射しない、他国に核技術を移転しないというのは、米国向けのメッセージだ。 今後これを完全な核兵器放棄につなげていくことが課題だ。核実験場を廃棄するという以上、実験場や関連施設の国際的査察を求め、交渉し実現すべきだ。それが信頼に足る非核化への第一歩となる。査察・検証に日本は積極貢献すべきである。 北朝鮮は包括的核実験禁止条約(CTBT)に直ちに署名し、CTBT機関による査察も可能とすべきだ。その後、完全な非核化の合意と核兵器禁止条約加入をめざすべきである。(川崎哲、ピースボート)    

2018/05/13 · Leave a comment

平和は私たちが作るもの。ノーベル平和賞メダル(武器ではなく)を手に行動しよう

憲法記念日の前日にあたる5月2日、ピースボートで記者会見を行い、昨年ICANがいただいたノーベル平和賞のメダルと賞状を、これから地球一周&全国出張させていきますという発表をしました。昨年のノーベル平和賞は、核兵器禁止条約の成立に対して貢献した世界的なNGO・市民運動の連合体であるICANに贈られました。広島・長崎の被爆者や世界各地の核実験被害者が、この運動の先頭に立ってこられました。この平和賞は、こうした核の被害者をはじめ、核兵器の禁止と廃絶のために努力してきたすべての人たちに向けられたものです。 そこで私たちは、この平和賞のメダルと賞状を、国内外なるべく多くの人たちに見てもらい、手にとってもらいたいと思いました。ピースボートの地球一周の船旅で、被爆者の証言会を行いながら世界中の人々にお見せしていくと同時に、国内でも「展示や撮影会などの企画に使用したい」という方々の申し込みを受け付けます(詳しくはこちら)。8月には、広島・長崎の両資料館で展示されます。ぜひ、ノーベル平和賞メダルと賞状をご自身の目で見て、できれば手にとって、平和のために自分に何ができるか考えて、行動してほしいと思います。 翌3日の東京新聞には「平和賞メダル貸します」という見出しでこのことが報じられたほか、なんと10年前の「9条世界会議」のことが特集で取り上げられています。私はこの世界会議の実行委員会事務局長をつとめましたが(それは本当に大変な仕事でしたが)、なぜあの会議を開いたのか、どのような意義があったのかということについて長いインタビューで話をさせてもらいました。9条は「世界の宝」という見出しの記事で、日本の憲法9条が国際的に評価された主要な10の国際会議が並んでいますが、私はこのうち7つに参加しており、これらのいくつかの提言や宣言の策定過程にかかわってきましたので、このような形でまとまった記事が出たことは感慨深いです。 いま朝鮮半島の非核化と平和が大きなテーマになっています。核や武力の脅しでは、結局のところ非核化も平和も達成できません。外交交渉を行い、きちんとした国際ルールを定めていくことが答えです。現実の情勢も、その方向に動いています。核の脅しに対しては、核の脅しで返すのではなく、核兵器禁止条約を使う。それが答えです。日本の9条は「武力によらずに平和を作る」ということをうたっていますが、核兵器禁止条約はそのような精神の一つの具現化です。核兵器禁止条約に反対する日本政府の姿勢は、戦後平和憲法の精神をふみにじるものです。    

2018/05/04 · Leave a comment