川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

今夏のピースボート地球大学「ともに築く平和で包摂的なアジア」報告書アップ

この8月、ピースボートでは日本一周と東アジアを巡るクルーズにおいて地球大学「特別プログラム」を実施しました。英語のみで行うこのプログラムには今回、日本、台湾、韓国、マレーシア、アメリカ合衆国、フィリピン、タイ、中国本土から35名の参加がありました。東京外国語大学をはじめ日本や韓国の諸大学との提携による本プログラムもすっかりと定着してきました。今年は「ともに築く平和で包摂的なアジア」をテーマに、国連が定める持続可能な開発目標16(平和で公正な社会の実現)をどのようにアジアで実現していくかといったことをテーマに活発な議論がなされました。私自身は「核兵器と安全保障を学ぶ広島-ICANアカデミー」や「平和と音楽の船旅~明子さんの被爆ピアノとともに」などのプロジェクトが同時期に重なっていたため、プログラムの多くの部分を同僚の畠山澄子さんを中心に進めてもらいました。英語と日本語でウェブレポートならびに報告書が完成していますので、どうぞご覧ください。こちらから>日本語・English

2019/11/30 · Leave a comment

[2019.11] ムクウェゲ氏の広島訪問

被団協新聞の11月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 ムクウェゲ氏の広島訪問 2018年にノーベル平和賞を受賞したコンゴの婦人科医デニ・ムクウェゲ氏が10月に広島を初訪問した。コンゴでは20年以上にわたる紛争で600万人もの犠牲者が出ている。携帯電話用のレアメタルなど鉱物資源をめぐる争いがその根幹にある。紛争の中では性暴力が組織的に行われており、その実態は凄惨だ。ムクウェゲ医師はこれまでに5万人以上の被害者を診てきた。 広島で被爆者と面会し資料館を回った医師は、このような人道にもとる兵器を人々は「なぜまだ作り続けるのか」とくり返し問うた。講演会では「無関心こそ破壊的である」と述べ、それがコンゴと広島をつなぐ共通の課題だと訴えた。また、広島原爆に使われたウランがコンゴ産だったことを指摘し、コンゴで紛争が続くことは大量破壊兵器の原料が無制御のままとなることであり世界への脅威だと警告した。(川崎哲、ピースボート)

2019/11/18 · Leave a comment

核兵器製造企業も!-幕張メッセでの武器見本市は大問題

武器見本市「DSEI Japan 2019」が11月18日から幕張メッセで開催されることについて、たいへん憂慮しています。この見本市の日本での初開催には、イギリスなどの軍需企業が日本をアジアへの武器輸出の拠点にしようという狙いがあるといわれています。このような武器見本市の開催は、国際紛争を解決する手段として武力による威嚇または武力の行使は「永久にこれを放棄する」とした日本国憲法9条の精神に根本的に反するものです。 そればかりか出展企業の中には、さまざまな非人道的な行為に加担しているとみられる軍需企業が多数含まれています。とりわけ、ロッキード・マーティン、エアバス、BAEシステムズなど核兵器の製造に関与している企業が出展していることを指摘しなければなりません。 2017年に国連で成立した核兵器禁止条約は、いかなる核兵器の使用も国際人道法に反すると断じています。それは、広島と長崎の被爆者たちが70年以上訴えてきたことでもあります。今日、世界の多くの銀行が、核兵器など非人道兵器の製造企業から投資を引き揚げ始めています。こうしたなか、被爆国である日本において、武器見本市が何の制約もなく堂々と開催されることは、世界の動きに逆行するものであり、見過ごすことはできません。 幕張メッセでは2008年5月に「9条世界会議」が開催され「武力によらずに平和を作る」ための理念と行動が確認されました。いま必要なのは、武器ではなく、平和外交のための知恵と国際法の強化です。 2019年11月17日 ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員 川崎哲 【参考】 DSEI Japan 2019の問題点について詳しくは、岩波書店『世界』12月号掲載の杉原浩司「武器見本市という憲法的不祥事」参照。

2019/11/17 · Leave a comment