被団協新聞の11月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
ムクウェゲ氏の広島訪問
2018年にノーベル平和賞を受賞したコンゴの婦人科医デニ・ムクウェゲ氏が10月に広島を初訪問した。コンゴでは20年以上にわたる紛争で600万人もの犠牲者が出ている。携帯電話用のレアメタルなど鉱物資源をめぐる争いがその根幹にある。紛争の中では性暴力が組織的に行われており、その実態は凄惨だ。ムクウェゲ医師はこれまでに5万人以上の被害者を診てきた。
広島で被爆者と面会し資料館を回った医師は、このような人道にもとる兵器を人々は「なぜまだ作り続けるのか」とくり返し問うた。講演会では「無関心こそ破壊的である」と述べ、それがコンゴと広島をつなぐ共通の課題だと訴えた。また、広島原爆に使われたウランがコンゴ産だったことを指摘し、コンゴで紛争が続くことは大量破壊兵器の原料が無制御のままとなることであり世界への脅威だと警告した。(川崎哲、ピースボート)
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