[2022.7] 核禁条約とNPT
被団協新聞の7月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 核禁条約とNPT 核兵器禁止条約第1回締約国会議には、ノルウェー、ドイツに加えNATO加盟国であるオランダとベルギーそしてオーストラリアがオブザーバー参加した。この5カ国はいずれも米国の「核の傘」下にある国である。これらの国々は、自分たちは核禁条約に加入する予定はないとかNATOの核抑止にコミットしている等と述べつつ、核禁条約の締約国との議論を深める姿勢を示した。核被害者支援などでの協力を示唆する発言もあった。とりわけ強調されたのは、NPTとの相互補完性である。核禁条約はNPTと同じ目標に向けて補完し合うことを、8月のNPT再検討会議を前に確認することが重要視されたのである。これこそ「橋渡し」である。それに比べて日本政府は「核兵器国が一カ国も参加していない」から日本も参加しないの一点張りだ。惨めな外交と言わざるをえない。(川崎哲、ピースボート)
[2022.6] 豪州の政権交代
被団協新聞の6月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 豪州の政権交代 オーストラリアの総選挙でアルバニージー党首率いる労働党が勝利し政権交代を果たした。同氏は、労働党が2018年に「政権を取ったら核兵器禁止条約に署名・批准する」と決議したときの立役者だ。「これは容易ではないが、正しいことだ」と党大会で彼は演説した。労働党はこの方針を昨年3月に再確認している。 アルバニージー氏は、かつて仕えた同党の有力政治家ユーレン議員に影響を受けている。日本軍の捕虜として長崎の原爆を目撃したユーレン氏は原爆投下を「人道に対する罪」と呼び核廃絶に取り組んできた。2015年に他界した氏の遺志を継ぎ、アルバニージー氏は核兵器禁止条約を一貫して支持してきた。 「核の傘」を脱し核兵器禁止条約に加わる最初の国となりうる政府が誕生した。むろん紆余曲折はあろう。まずは締約国会議への出席に期待したい。(川崎哲、ピースボート)
【7/7】ウィーンの報告、そして今後について、お話しします
ウィーンの核兵器禁止条約第1回締約国会議から帰りました。いろいろありました!簡単には整理できませんが、まもなく7月7日に核兵器禁止条約の採択から5年を迎えるということで、この日にイベントを行います(主催:ピースボート)。題して「禁止条約採択から5年 核兵器のない世界への道筋と課題」。ここで、私なりの締約国会議のまとめと、今後の展望についてお話ししたいと思います。チケット制のオンラインイベントです。詳細・お申込はこちらから。
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