被団協新聞の6月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
豪州の政権交代
オーストラリアの総選挙でアルバニージー党首率いる労働党が勝利し政権交代を果たした。同氏は、労働党が2018年に「政権を取ったら核兵器禁止条約に署名・批准する」と決議したときの立役者だ。「これは容易ではないが、正しいことだ」と党大会で彼は演説した。労働党はこの方針を昨年3月に再確認している。
アルバニージー氏は、かつて仕えた同党の有力政治家ユーレン議員に影響を受けている。日本軍の捕虜として長崎の原爆を目撃したユーレン氏は原爆投下を「人道に対する罪」と呼び核廃絶に取り組んできた。2015年に他界した氏の遺志を継ぎ、アルバニージー氏は核兵器禁止条約を一貫して支持してきた。
「核の傘」を脱し核兵器禁止条約に加わる最初の国となりうる政府が誕生した。むろん紆余曲折はあろう。まずは締約国会議への出席に期待したい。(川崎哲、ピースボート)
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