被団協新聞の2月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
日本の言い訳
「核兵器禁止条約は核兵器のない世界の出口とも言える重要な条約だが、核兵器国は1か国も参加しておらず、いまだ出口に至る道筋は立っていない。」これが日本政府の公式見解だ。
だが核兵器の禁止は出口ではない。入口だ。生物・化学兵器、地雷やクラスター爆弾も、まず条約で禁止したことで廃絶への道が開かれた。核兵器国が入っていないことは、日本が何もしない理由にはならない。核兵器国はお互い、相手が持っているからこちらも持つのだと言い合っている。先月来日したICANのメリッサ・パーク事務局長はこれを「堂々巡りの循環論法」と批判し、悪循環を断ち切るリーダーシップが必要だと訴えた。
中国や北朝鮮の脅威をあげて「厳しい安全保障環境」だから核抑止力が必要だとの声もある。だが逆だ。脅威があるからこそ軍縮が必要なのだ。軍拡競争は、緊張や危険をさらに高めるだけである。(川崎哲、ピースボート)
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