被団協新聞の7月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
核禁条約とNPT
核兵器禁止条約第1回締約国会議には、ノルウェー、ドイツに加えNATO加盟国であるオランダとベルギーそしてオーストラリアがオブザーバー参加した。この5カ国はいずれも米国の「核の傘」下にある国である。これらの国々は、自分たちは核禁条約に加入する予定はないとかNATOの核抑止にコミットしている等と述べつつ、核禁条約の締約国との議論を深める姿勢を示した。核被害者支援などでの協力を示唆する発言もあった。とりわけ強調されたのは、NPTとの相互補完性である。核禁条約はNPTと同じ目標に向けて補完し合うことを、8月のNPT再検討会議を前に確認することが重要視されたのである。これこそ「橋渡し」である。それに比べて日本政府は「核兵器国が一カ国も参加していない」から日本も参加しないの一点張りだ。惨めな外交と言わざるをえない。(川崎哲、ピースボート)
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