川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

Denis Mukwege, Nadia Murad両氏のノーベル平和賞受賞を歓迎します

2018年のノーベル平和賞が、コンゴの医師で社会活動家のDenis Mukwege 氏と、イラクでIS(イスラム国)による性暴力の被害にあったNadia Murad氏に贈られました。両氏の受賞を心より祝福します。 ノルウェー・ノーベル委員会は今回、戦時下における性暴力に焦点を当てました。昨年は、核兵器の非人道性に焦点を当て、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に賞をくださいました。同委員会がこのように戦争の中での暴力とその被害に着目し人道と人権に焦点を当てている姿勢は、素晴らしものだと思います。 Mukwege、Murad両氏は、ノーベル平和賞によって、活動を飛躍させることができるでしょう。昨年10月からの一年間は、ICANにとってそのような飛躍の年となりました。戦時下の性暴力をめぐっては、世界5000団体からなる「紛争におけるレイプと性暴力を止める国際キャンペーン(The International Campaign to Stop Rape & Gender Violence in Conflict)」があり、ピースボートもそのメンバーです。こうしたつながりを生かして、両氏とも連携を図っていきたいと思います。 ノーベル委員会は「戦争の兵器として性暴力を利用することを終わらせる」と述べました。これは日本にとっても人ごとではありません。かつて日本がアジア諸国で展開した「慰安婦」制度は、まさに戦争に組み込まれた組織的な性暴力と人権侵害の制度でした。その被害者らへの謝罪と補償、名誉と信頼の回復はいまだ達成されていません。第二次世界大戦中の問題と今日の問題は連続しています。これを機に、過去、現在そして未来に向けて、戦争における性暴力の利用を終わらせるための議論と行動が、日本でも活発化することを期待します。 2018.10.5 川崎哲 (ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員) (ICANの公式ステートメントはこちら)   Advertisements

2018/10/05 · Leave a comment

核兵器禁止条約批准へ、声をあげよう。ー核廃絶国際デーにあたりNGOのイベントを行いました

国連が定めた「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」となる9月26日、ニューヨーク国連本部では核兵器禁止条約の署名・批准式が行われました。本日時点で同条約への署名は69、批准は19カ国となりました。昨年9月に条約への署名が開始されてから一年で、条約発効に必要な50カ国のうち19カ国が批准したことになります。条約発効に向けて、着実に前進しています。 「国際デー」の2日前、東京・お茶の水の明治大学で核兵器廃絶日本NGO連絡会として記念イベント「核なき世界へ向けて-被爆国の役割を考える」を開催しました。吉永小百合さんがゲストとして参加してくださり、会場は550人の超満員となりました。足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。また、大規模なイベント実施のために尽力して下った諸NGOの皆さん、本当にお疲れ様でした。 トークの中で吉永さんは「本当に素晴らしい核兵器禁止条約が作られたんですけど、日本ではまだまだそれを知っている人が少ないと思うんです。だから私たちの力でなんとか、もうちょっと大きな声を出して政府に届けて、先ほど政府の方はアプローチが違うとおっしゃっていましたけれども、何とかこれを批准して核兵器のない平和な世界を作っていくことが大事なんじゃないかしらと思っています」と仰いました。本当にその通りだと思います。吉永さん、力強いメッセージをありがとうございました。 「国際デー」の前後には、そのほかにもさまざまなイベントが行われました。この機運を生かして、日本を含むすべての国に核兵器禁止条約への署名と批准を求め、同条約の早期発効を実現していきたいと思います。核兵器禁止条約が発効することで、核兵器は絶対悪であるという規範が国際法として確立します。それが、核兵器廃絶への推進力となるのです。(2018.9.30記) 追記:イベントの際に紹介し忘れましたが、吉永さんは拙著『新版 核兵器を禁止する』(岩波ブックレット)を手に持って(↓)登壇されました。今回のトークをお願いして以来、読み込んでくださったようです。ありがとうございます!ブックレットはこちら。このブックレットがちょっと難しそうだと感じる方は、『核兵器はなくせる』(岩波ジュニア新書)をどうぞ(こちら)。

2018/09/30 · Leave a comment

[2018.9] 核抑止論の愚かさ

被団協新聞の9月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 核抑止論の愚かさ 8月6日の広島の式典では湯崎知事の挨拶が異彩を放った。知事は核抑止論を仲の悪い隣家に例えた。お隣のご一家全員を家ごと吹き飛ばす爆弾を仕掛けてある。お隣もうちを吹き飛ばす爆弾を仕掛けている。「決して大喧嘩にはならないし爆弾は多分誤作動しない」から安心しろ。こんな話を大人が本気で子どもに説明できるのか、と問うたのだ。若い世代には、核の恐ろしさより、核の愚かさを伝えることの方が早いのかもしれない。 日本政府による核軍縮「賢人会議」は今年3月の提言で「核抑止は…安定を促進する場合もあるとはいえ、長期的かつグローバルな安全保障の基礎としては危険なもの」だとした。だから「より良い長期的な解決策」が必要だという。その通りだ。しかも「長期的な」などと言ってはいられない。隣家の爆弾が誤爆する可能性があるのだから。(川崎哲、ピースボート)

2018/09/16 · Leave a comment

核兵器廃絶国際デーにあたり、核兵器禁止条約についてお話しします

私は今、第99回ピースボートに乗船して「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」(おりづるプロジェクト)と地球大学特別プログラム(「ともに築くアジアの平和」)を実施しているところです。シンガポールで船を下りてからは帰国し、9月下旬に各所で開かれる核兵器廃絶のシンポジウムに参加する予定です。 9月26日は、国連が定めた「核兵器廃絶国際デー」です。これを記念して日本国内でもさまざまな会が開かれますが、なかでも9月24日には明治大学駿河台キャンパスにおいて、核兵器廃絶日本NGO連絡会が主催し国連広報センターが共催する記念イベント「核なき世界へ向けてー被爆国の役割を考える」に吉永小百合さんがトークのゲストとして参加してくださることが決まったので大変うれしく思っています。日本被団協の田中煕巳さんが基調講演をなさいます。ヒバクシャ国際署名の運動の意義を語ってくださると思います。続くパネル討論では、外務省の今西課長(予定)、米国ミドルベリー国際大学院で長く軍縮教育に取り組んでおられる土岐さん、ナガサキ・ユース代表団で活躍している工藤さんが核兵器廃絶における市民社会の役割について議論します。国連広報センターの根本所長が討論の進行役をしてくださいます。 ノーベル平和賞のメダルと賞状も展示されるこのイベントは、事前予約制となっています。9月19日までの申し込みが必要で、ただし定員になり次第締め切ってしまいます。お早めの予約申し込みをお願いします(こちらから)。 これに先立ち、9月22日(土)には同じく「核兵器廃絶国際デー」記念として、創価学会平和委員会が主催しコスタリカ大使館が後援するシンポジウム「核兵器は私たちの大切なものを守るのか?~人道とジェンダーの視点から~」(於日本青年館)にパネリストとして参加します。お申し込みはこちら。 さらに、次のような行事でも発言、講演します。 9月20日(木) 18:30~ シンポジウム「核兵器禁止条約と日本の宗教の役割」 場所: 主催:上智大学大学院 実践宗教学研究科、ベグライテン、ミシュカの森 9月23日(日) 13:00~ 小学生・中学生向け講演会「核兵器のない世界のために 私たちができること ノーベル平和賞を機に考える」 場所:毎日新聞東京本社地下一階毎日ホール 主催:毎日小学生新聞 協力:ピースボート 9月26日(水) 19:00~ 大学生協九条の会第3回総会・記念講演会「核兵器禁止条約で変わる世界~今平和について語り合いましょう」 場所:大学生協杉並会館 9月29日(土)9:45~ 大阪・隆祥館書店「作家と読者の集い」 9月29日(土)14:00~ 京都・清水寺(大講堂) シンポジウム「核の脅威削減にむけて:新たな潮流と市民社会の役割」 主催:日本パグウォッシュ会議/世界宗教者平和会議日本委員会(WCRP)/明治学院大学国際平和研究所(PRIME)/長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)      

2018/09/08 · Leave a comment

[2018.8] 核兵器禁止条約発効へのたたかい

被団協新聞の8月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 核兵器禁止条約発効へのたたかい  核兵器禁止条約が採択されてから一年が経った。7月現在59カ国が署名、11カ国が批准している。50カ国が批准するとこの条約は発効する。NPTが発効に2年、化学兵器禁止条約が4年かかっているのに比べ遅いとはいえない。だが条約に賛成した122カ国の半分もまだ署名していないのは事実だ。それには米ロ仏など核保有国による強い圧力がある。 ピースボートの被爆者「証言の航海」は5月以降、ギリシャの首相、アイスランドの外相、カナダの外務政務官、スリランカの外務次官らに署名・批准を要請してきた。核廃絶の目標は共通だがNPTなど既存の枠組みが重要だとして、慎重な国々が多い。北大西洋条約機構(NATO)諸国は申し合わせたかのように同じセリフだ。 9月26日には国連で第2回署名式が開かれる。市民からのもう一押し、二押しが必要だ。(川崎哲、ピースボート)

2018/08/18 · Leave a comment

核兵器禁止条約をさらに前へ!ピースボートは世界をめぐり各国に働きかけています

被爆73周年の原爆の日に、広島と長崎を訪ねました。核兵器禁止条約が昨年9月に署名開放され、ICANが12月にノーベル平和賞を授賞してから初めての原爆の日ということで、特別な行事が多々ありましたし、思いも特別でした。マスコミ等の取材も今年は特に多かったように思います。 アントニオ・グテーレス氏が国連事務総長として初めて長崎の式典に参列されました。事務総長が記者会見で、核兵器禁止条約について「完全に支持し、発効を望む」と述べられたことは大きな励みとなりました。式典の前日に事務総長は被爆者代表らと面会されましたが、その後のご挨拶やスピーチで繰り返し被爆者との面会に感動したということを述べておられました。その夜に、ICANを代表してグテーレス事務総長と面会する機会がありました。ICANとして、核兵器禁止条約の早期発効に向けた国連の努力をお願いしました。面会には、ピースボートの同僚や、ICANのパートナーである創価学会インターナショナルのメンバーも同席しました。 グテーレス事務総長がこのように核軍縮に熱心な姿勢を示しているのも、軍縮担当の国連次長である中満泉さんの働きによって支えられているところが大きいと思います。中満次長は、広島・長崎の一連の行事のための滞日期間中、忙しい時間をぬって、NGOとの面会や協議に時間をつくってくださいました。今年5月に事務総長が発表した国連の「軍縮アジェンダ」にも核兵器禁止条約の重要性は明記されており、このアジェンダの確実な実施のために国連とNGOがさらに協力していくことが重要だと思います。 広島と長崎では、ピースボートの同僚の寺地亜美さんと、来る9月1日に出航する第99回ピースボートに「おりづるユース」として乗船する安藤真子さんと、核兵器廃絶日本NGO連絡会のインターンを続けてきた大庭美幸さんらと一緒に動きました。活動の様子は、おりづるプロジェクトのブログや、核兵器廃絶日本NGO連絡会のウェブサイトに掲載されています。 広島では8月3日に記者会見を行いましたが、第99回ピースボートで「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」(おりづるプロジェクト)をやります!各地で原爆被害の実相を伝え、核兵器禁止条約への署名・批准を各国に求めていきたいと思います。今回は、この写真のメンバー(広島の平和記念資料館に展示されたノーベル平和賞メダルの前で記念写真!)で世界をぐるっと回ります。活躍に乞うご期待!いま世界を回っている第98回ピースボートのメンバーは8月21日に横浜に帰港し、第99回のメンバーは9月1日に横浜出航です。どうぞ応援してください。    

2018/08/18 · Leave a comment

核兵器の終わりか、私たちの終わりか(新聞、テレビのご案内)

広島・長崎「原爆の日」の一連の行事を終えて東京に帰ってきました。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)関連の報道がいろいろと続いています。 ■本日8月12日(日)18:05~ NHK総合「これでわかった!世界のいま」でICANのノーベル平和賞メダルのことが特集されます。芳川隆一キャスターが長崎でいろいろと取材してくださいました。(詳しくはこちら) ■本日8月12日(日)の東京新聞/中日新聞サンデー版は「なくせるか核兵器」として、核兵器の現状の分かりやすい図解特集をしています。私は解説文を寄せました。学習資料として最適と思います。オススメです!(詳しくはこちら) ■テレビ新広島が制作し8月6日に放送した「おわりのはじまり~ノーベル平和賞のその先に~」は、私がICANやピースボート、さらに平和活動全般に関わる背景なども合わせて取材してくれたもので、自分で見るのは恥ずかしい感じもしますが、ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。全国20以上のテレビ局で来月にかけて順次放送されるということですが、フジテレビでは8月15日(水)深夜3時から(つまり16日午前3時)放送されます。おそらくこんな時間に見られる人はとても少ないと思いますが、テレビの録画予約をして、あとで見ていただければと思います。(詳細はこちら)

2018/08/12 · Leave a comment

朝鮮半島の非核化と核兵器禁止条約

岩波書店『世界』9月号に「朝鮮半島の非核化と核兵器禁止条約」という文章を寄せました。採択から一年が経った核兵器禁止条約の現状、米朝合意の意義と朝鮮半島非核化に向けた核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の提言などをまとめました。核兵器禁止条約、包括的核実験禁止条約(CTBT)、核不拡散条約(NPT)といった多国間条約を半島非核化に生かしていくという提言です。歴史的転換点にありながら、日本において、これからの北東アジアの地域安全保障を構想する議論が欠如しているという問題も指摘しました。梅林宏道さんの「北東アジア新秩序へ 非核兵器地帯化への積極的関与を」と合わせてどうぞお読みください。詳しくはこちら。

2018/08/11 · Leave a comment

8月6日午前9:50~テレビ新広島「おわりのはじまり~ノーベル平和賞のその先に~」

8月6日(月)午前9:50~10:45、テレビ新広島(フジテレビ系列)で原爆の日の特番として「おわりのはじまり~ノーベル平和賞のその先に~」という番組が放映されます。(再放送は8月7日(火)早朝4時からです。)この番組は、猿田純哉ディレクターをはじめとするテレビ新広島のチームが、広島からオスロ、ジュネーブそして東京にも足を運ばれて、長期間かけてICANの活動や核兵器禁止条約をめぐる国際的な攻防をまとめたものです。私は何回となくインタビューされましたので、番組の中でたくさんしゃべっていると思います。また、ピースボートの「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」プロジェクトを通じて共に活動してきた被爆者やユースの仲間にも取材をされたということなので、見てみるのが楽しみです。 題名の通り、核兵器禁止条約の成立とICANのノーベル平和賞受賞は、核兵器の終わりの始まりに過ぎません。逆に、せっかく成立した核兵器禁止条約をほったらかしにするような政府の姿勢を私たちが変えられなければ、それは私たち自身の終わりにつながっていくかもしれません。 この番組は、フジテレビ系列で全国20を超えるテレビ局で、今月から来月下旬までかけて放映される予定だそうです。フジテレビでは8月15日(水)27時すなわち深夜3時からの予定。そのほか、以下のテレビ局で順次放映されていく予定だそうですが、変更もありうるとのことです。 北海道文化放送、岩手めんこいテレビ、仙台放送、秋田テレビ、さくらんぼテレビ、福島テレビ、新潟総合テレビ、長野放送、東海テレビ、テレビ静岡、富山テレビ、石川テレビ、福井テレビ、関西テレビ、山陰中央テレビ、岡山放送、テレビ愛媛、高知さんさんテレビ、テレビ西日本、サガテレビ、テレビ長崎、テレビ熊本、テレビ大分、テレビ宮崎、鹿児島テレビ、沖縄テレビ この場を借りて、猿田純哉さんはじめテレビ新広島のチームの皆さんに長期間にわたる取材と制作のご努力に御礼申し上げます。私自身見るのを楽しみにしています(どんな番組に仕上がっているのか、まったく見ていませんので!)番組の詳細はこちら  

2018/08/02 · Leave a comment