川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

第33回谷本清平和賞 受賞にあたって

本日、第33回谷本清平和賞の受賞発表がありました。  被爆者の救援に身を投じ尽力してこられた谷本清牧師のお名前を冠する賞をいただくのは、大変おそれ多いことです。戦争の恐ろしさを戦争を体験していない人間が伝えていかなければならない時代にいよいよ入ったと感じます。  私はピースボートの船旅を通じて、広島・長崎の被爆者の方々の証言を世界に伝える活動をしてきました。それは常に、多くの人々の共同作業でした。被爆者ご本人、迎え入れる世界各地の人々、その間をつなぐ若者、通訳、メディア。訪ねたその国々の戦争被害者や核の被害者たちともつながってきました。そうした人々の輪を大切にし、さらに広げていきたいと思います。  被爆者に出会い心を動かされた人々が行動したことで、核兵器禁止条約が採択され発効しました。核兵器なんて絶対にダメだと被爆者ご自身が語ってくださる時間はあと僅かです。それでもこの条約は生き続け、将来にわたり国々をしばり続けます。日本をはじめとする全ての国がこの条約に入るよう、ICANの仲間たちと活動をさらに強めてまいります。 2021年10月15日 川崎哲 ※ピースボートでは、被爆者のメッセージを世界に伝える「おりづるプロジェクト」へのご支援を皆さまにお願いしています。こちらのページをどうぞご覧ください。

2021/10/15 · Leave a comment

核兵器禁止条約「オブザーバー参加」すら約束できない岸田首相には落胆しかない。来る総選挙で動かそう

 岸田新政権が発足した直後、私は朝日新聞に「核廃絶の道筋 与野党は政策論争を」と題して寄稿し、核兵器禁止条約への署名・批准や同締約国会議へのオブザーバー参加について各党・各候補者はしっかりと議論してほしいと呼びかけた。今年8月に広島でNGOが主催した討論会では、自民党も含め与野党8党の代表者は全員、締約国会議へのオブザーバー参加に前向きな姿勢を示していた。同条約への署名・批准をめざしつつ当面はオブザーバー参加していくということでは、立憲・共産など野党4党の合意内容と、与党である公明の主張は大きくは変わらない。問題は自民党である。日本は核兵器廃絶をめざしていると言いながら、核兵器禁止条約への署名・批准を長期的にでもめざしていくという姿勢を公言している自民党の国会議員は2%程度と、他党に比べて圧倒的に少ない(「議員ウォッチ」調べ)。  そうした中、広島選出の岸田文雄氏が首相に就任し、被爆地の代表として「核兵器のない世界」に向けた努力をくり返していることに、私は一定の期待を寄せていた。ICANのベアトリス・フィン事務局長や被爆者のサーロー節子さんが就任当日に岸田首相に手紙を送ったように、核兵器の非人道性を世界に率先して語ることのできる首相として、核兵器を非人道兵器として全面的に禁止したこの条約について、少なくとも、締約国会議へのオブザーバー参加してほしいし、そのくらいの決断はしてもらえるのではないかと考えていた。  ところがこの数日間の国会での代表質問をみると、岸田首相は、オブザーバー参加を拒否している。岸田氏は、核兵器禁止条約は核兵器のない世界への「出口」ともいえる「重要な条約である」としてこの条約の意義を率直に認めている。この点はこれまでの首相にはなかったことであり、評価できる。しかし、オブザーバー参加せよと求める与野党の声に対しては「ご指摘のような対応よりも、核兵器国を関与させていくような努力をしていく。米国の信頼を得た上で、核兵器のない世界へ向けて取り組んでいく」とくり返し答弁している。「参加しない」とまでは明言していないが、事実上の拒否といえる。  しかし、これには全く納得がいかない。  核兵器国を関与させることは確かに必要であるし、米国と共に核軍縮に取り組むことも重要だ。しかし、だから核兵器禁止条約は無視してよいということにはならない。両方必要なのだ。  核兵器禁止条約は、非核保有国主導の取り組みである。核保有国はこれに反発しており、首相も指摘しているように、一カ国も入っていない。首相はだから核保有国と非核保有国の「橋渡し」をしていくという。しかし「橋渡し」するのが本気なら、核保有国とも軍縮の努力をし、非核保有国とも協力を深めつつ、両者の対話を促進するということになろう。非核保有国が主導する核兵器禁止条約の締約国会議の場に出ていき、そこで日本の立場を述べることこそまさに「橋渡し」にふさわしい行動ではないか。  日本は自らオブザーバー参加すると表明した上で、米国にもオブザーバー参加を促すことができるはずだ。それに米国が応じなくても、締約国会議の場で、日本が米国と共に取り組んでいる内容について締約国に説明することができる。  締約国会議の招集者である国連事務総長は、日本や米国を含むすべての国連加盟国に招待状を出している。ホストするオーストリア政府は、あらゆる国の参加を歓迎すると表明している。橋はそこにあるのだ。それなのに、日本は橋を渡ることを拒んでいる。  今朝、嬉しいニュースが入ってきた。ノルウェーが、核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加することを表明したのである。米国との軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)加盟国として初めての表明となる。  すでに、スウェーデン、スイス、フィンランドそしてマーシャル諸島がオブザーバー参加を表明している。これらの国々の多くは条約制定過程で積極的な役割を果たしたが、条約への署名・批准については国内の政治的意思を固め切れておらず、未署名のまま参加することになる。  ノルウェーがこのたび参加を決定したのは、先月の総選挙で労働党が勝利し政権が交代したことによるものである。ドイツでも新政権が誕生しようとしており、ノルウェーに続いてオブザーバー参加を表明する可能性がある。NATO加盟国でもオブザーバー参加できるのだから、日本は米国との関係があるから参加できないという言い訳はもはや通用しない。  マーシャル諸島は、1954年3月のビキニ水爆実験などで知られるように、核実験の被害国である。核兵器禁止条約には、核兵器の使用や実験で被害を受けた人たちに対する援助と、放射能で汚染された環境の回復の義務に関する規定がある。来年3月にウィーンで開かれる第1回締約国会議では、それが重要な議題になる。だからこそマーシャル諸島はこの会議に参加するのである。  日本は、世界で唯一戦争時に核兵器の被害を受けた国であり、今も十数万人の被爆者が医療的・社会的援助を受けながら暮らしている。日本には、チェルノブイリや福島の原発事故による健康や環境上の被害に関する知見も多く、この分野で数多くの専門家がいる。日本がこの会議に参加して核被害者の援助に関する議論に貢献するのは当然のことである。岸田首相は、被爆国として日本が世界から期待される役割を果たすことを拒むのか。  岸田首相がいうところの「米国の信頼を受けた上で核兵器のない世界に向けて前進していく」ということは、もちろん大事だ。バイデン大統領との初の電話会談で「核兵器のない世界」に向けた努力について話題にしたことは評価する。しかし問題は、それに中身があるのかどうかである。  現在バイデン政権は「核態勢の見直し」に取り組んでいるが、核兵器の先制不使用を宣言するかどうかが焦点となっている。核兵器の全面禁止とまではいかなくても、先に使うことはしない。そう宣言することで、核戦争が起きる危険性を大きく減らし、核削減の条件を作ろうというものだ。  ところがこれまで日本の歴代政権は、米国による核兵器の先制不使用に反対する態度をくり返してきた。「核の傘」が弱まってしまうからというのである。そこで今回ばかりは「日本は先制不使用に反対するな」と、米元高官らが日本の政治指導者に要請する事態にまでなってきている。日本が米国から、「核軍縮の邪魔をするな」と言われてしまっているのだ。  この問題について岸田氏は「日本から米国に核兵器の先制不使用を求めることはない」(自民党総裁選前)と、消極姿勢だ。しかもこれは、日本が反対するのかどうかと問われているのに対して、ピント外れなコメントになっている。  核兵器禁止条約の会議には出ない。核被害者救済の議論にも加わらない。このままではおそらく、日本が今年提出する国連総会決議案も、例年通り、核兵器禁止条約を全く無視した文面になるのだろう。その一方で米国と核軍縮で協力するというが、その中身はこれまでと同じで一歩も踏み出さない。  これではいくら「核廃絶という名の松明を、私もこの手にしっかりと引き継ぎ核兵器のない世界に向け全力を尽くします」(所信表明演説)と言われても、空っぽだ。  岸田首相に対して「このままではいけません」と、心ある与党議員がしっかりと説得してくれるか、あるいは、来る選挙で野党が勝利して、公約通り「署名・批准をめざしてオブザーバー参加する」か――そのどちらかまたは両方が必要だ。  この意味できわめて重要なのが、10月31日の総選挙だ。私たちは、一人ひとりの候補者に対して「核兵器禁止条約、どうするおつもりですか」と声をかけていこう。#お答えください核兵器禁止条約 2021.10.14川崎哲

2021/10/14 · Leave a comment

核兵器禁止条約を総選挙の争点に!

広島選出の岸田文雄氏を首相とする新政権が発足しました。岸田首相は「核兵器のない世界」に向けて努力すると言っていますが、核兵器禁止条約に対する態度は曖昧です。岸田政権に対して、また、来る衆議院総選挙において、核兵器禁止条約に日本が加わることを私たちが求めていくことが重要です。そして、核兵器禁止条約への態度を明確にしていない現職議員や候補予定者に対して、態度表明をするように働きかけていく必要があります。 そうした観点から、本日(10月8日)付の朝日新聞「私の視点」に「衆院選を前に――核廃絶の道筋 与野党は政策論争を」と題する文章を寄稿しました。こちらで読むことができます。 岸田首相就任に際しては、ベアトリス・フィンICAN事務局長やカナダ在住被爆者のサーロー節子さんから手紙が出され、NHKなど報道でも大きく取り上げられました。 10月19日に公示、31日に投開票が予定されている衆院総選挙で、各党・各候補者は、核兵器禁止条約への日本の対応をしっかりと議論すべきです。 「議員ウォッチ」プロジェクトでは、日本の国会議員、都道府県知事、市区町村議会の核兵器禁止条約への立場をリサーチし、オンライン上で公表し、賛同を呼びかけてきました。日本が核兵器禁止条約に参加すべきだという声は各種世論調査で70%を超えているのに対し、国会議員の賛同率は28%に留まり、未だ大きな乖離が見られます。議員ウォッチ上には、現職と候補予定者900名近くの情報が公開されています。 ぜひ皆さん、議員ウォッチを活用して、現職国会議員および候補予定者に対して、核兵器禁止条約への賛同を表明するように呼びかけてください。議員ウォッチでは学生団体KNOW NUKES TOKYOと協力して、まだ態度を明らかにしていない現職や候補予定者に対して電話やFAX、SNSを通じてアプローチを始めました。すでに賛同の反応も多数寄せられています。皆さんにもこの取り組みにぜひ参加していただきたいと思います。呼びかけ方はこちらから) またこのたび、公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に(マリフォー)が「マリフォー国会メーター」を立ち上げましたので、合わせてお知らせします。これは、同性婚の法制化についての国会議員や候補予定者各人の立場を明らかにしているサイトで、議員ウォッチと提携運営しています。(マリフォー国会メーターはこちら) 議員ウォッチには各都道府県の小選挙区割も出ています。自分の選挙区が分からない方は、それで調べられます。一人ひとりが地元選出議員への問いかけや働きかけを積極的に行って、私たちの力で政治を変えていきましょう。#YesICAN

2021/10/08 · Leave a comment

ピースボートが「戦争廃絶への功労賞」に選ばれました

ピースボートはこのたび、世界的な平和団体「ワールド・ビヨンド・ウォー」による「戦争廃絶への団体特別功労賞2021」を受賞することになりました。9月13日、ワールド・ビヨンド・ウォーが発表しました。たいへん光栄なことです。 ワールド・ビヨンド・ウォーは、戦争と戦争のしくみそのものを世界からなくすために2014年から活動している米国を拠点とする世界的な平和団体です。「戦争廃絶への功労賞」は、戦争廃絶をめざし活動している人々を表彰し支援するために今年から設立されました。戦争廃絶の目的を意図してそれを効果的に推進し、戦争の火種や戦備を減らし、戦争の文化を縮小させることに成功した教育者や活動家に贈られます。 ワールド・ビヨンド・ウォーの公式ウェブサイト(こちら)では、ピースボートの受賞理由をこのように説明しています。 「ピースボートは、世界的な平和文化の構築に長年携わり、非暴力での紛争解決や武装解除について世界各地で取り組んできました。ピースボートは、エコなクルーズ船の計画を進めるなど、平和と人権や環境の持続可能性とのつながりにも着目し取り組んできました。」 「戦争がなくなるとすれば、それはピースボートのような団体が、考え活動する人々を育て動かし、暴力に代わるものを見出し、戦争の正当化や許容から世界の意識を変えてきた活動が大きく寄与した結果でしょう。ワールド・ビヨンド・ウォーは、第一回目のこの賞をピースボートに贈ることを光栄に思います。」 今回の受賞では、ピースボートが海に浮かぶ学びの空間として育んできた独自の平和教育と平和構築活動が評価されました。ピースボートが「おりづるプロジェクト」を通じて、広島や長崎の被爆者の証言を世界に伝える活動をしてきたこと、また、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の一員として核兵器廃絶に取り組んできたことも、授賞理由に挙げられています。 ピースボートのホームページ(こちら)には、受賞にあたっての吉岡達也共同代表のコメントを掲載しています。そこにもあるように、9/11の同時多発テロをきっかけに引き起こされた「対テロ戦争」から20年という節目にこの賞が発表されたことは感慨深いです。当時から私たちは、戦争では問題は解決しない、非暴力による平和構築を追求すべきだと訴えてきました。そして「世界は9条をえらび始めた」という標語と共に、日本国憲法9条の「軍事によらない平和構築」という理念を世界に広げるため、2008年に「9条世界会議」を開催しました。ピースボートの船旅の活動自体が、非軍事の平和構築の一つのモデルだと考えています。今回の受賞を機に、さらに活動を前に進めたいと思います。 「戦争廃絶への功労賞2021」の授賞式は、2021年10月6日(水)日本時間午後9時から行われます。(こちら) 授賞式は英語で進行されますが、日本語への通訳もあります。なお、ピースボートがこのたびいただくこととなった「戦争廃絶への団体特別功労賞2021」のほかに、「デビッド・ハートソー戦争廃絶への個人特別功労賞2021」および「戦争廃絶への2021年功労賞」の2つの賞が今後発表され、上記10月6日の授賞式は、3者合同の授賞式となる予定です。

2021/09/14 · Leave a comment

[2021.9] 先制不使用の要請

被団協新聞の9月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 先制不使用の要請  8月9日、ペリー元国防長官など米国の元高官・専門家らが、バイデン政権が検討している核の先制不使用政策に日本が反対しないよう求める書簡を菅首相および与野党党首に送った。書簡は、日本はオバマ政権が先制不使用政策を採択するのに反対し、今日もまた、国会答弁等で同政策に反対を表明していると指摘。核廃絶を掲げる日本が「この小さな、しかし重要な一歩」に反対するのは悲劇的だと批判している。 さらに、先制不使用政策をとると抑止力の「弱体化」をおそれた日本が核武装する恐れがあるとの強い懸念が米国内にあるという。なんと不名誉なことか。 バイデン政権の核政策見直しは来年1月、NPT再検討会議の頃までに完了する見込みだ。日本政府は、日本の非核三原則は不変であり、米国が先制不使用政策をとることはNPT合意にも沿うもので歓迎する旨、明確に発信すべきだ。(川崎哲、ピースボート)  

2021/09/12 · Leave a comment

「持続可能なツーリズム」誌にピースボートについての論文を寄稿しました

このたび「持続可能なツーリズム」をテーマにした学術誌Journal of Sustainable Tourismに、ピースボートをケーススタディとして取りあげた論文を執筆し寄稿しました。タイトルは「波を起こす:ツーリズムを通した持続可能な平和のモデルケースとしてのピースボート(Making waves: Peace Boat Japan as a model of sustainable peace through tourism)」です。長くお世話になっているシドニー大学のリンダ・アン・ブランシャードさんと、ピースボートの同僚の畠山澄子さんと私の3人で共同執筆したものです。 この論文では、ピースボートの国際学生プログラム、日韓クルーズ、地球大学、「ヒバクシャ地球一周 証言の航海(おりづるプロジェクト)」などの取り組みに触れながら、ピースボートの取り組みは「ツーリズムを通じて持続可能な平和をつくりだすこと」だということを論じました。船旅でバックグランドの異なる人が出会い交流することや、観光地といわれる場所にも戦争の歴史や構造的な暴力の問題があることについて学ぶ場を作ることは、単に戦争のない社会というだけでなく、より深い意味での平和に貢献しているはずだということを論じています。ツーリズムと平和の関係、あるいは平和教育の方法論については、リンダさんが主に議論を展開してくれました。その上で畠山さんと私とで、ピースボートの長い歴史と幅広い取り組みの中から本論文にふさわしいケースを厳選して取り出し、組み立てました。それを文章に落とし込んでいく作業は、畠山さんがリードしてくれました。 論文はこちらから。 Journal of Sustainable Tourism Making waves: Peace Boat Japan as a … Continue reading

2021/09/12 · Leave a comment

国防総省や軍事企業からお金をもらって「安全保障政策」を提言?――米シンクタンクの実態に迫る報告書

米国の政策に大きな影響を及ぼしているシンクタンクの多くが、米国政府と軍事企業から多額の資金援助を受けて活動している。米国の上位50のシンクタンクに対して、10億ドル以上もの資金が米国政府や軍事企業から提供されている。――このことを明らかにした国際政策センター(Center for International Policy)の報告書(2020年10月)の要旨を、このたびピースボートが日本語に訳しました。 この報告書によれば、米国政府で最大の資金援助を行っているのは、国防長官府、空軍、陸軍、国土安全保障省、国務省であり、軍事企業で最大の資金援助を行っているのは、ノースロップ・グラマン、レイセオン、ボーイング、ロッキード・マーティン、エアバスの各社です。資金の受領額が多いのは、ランド研究所、新アメリカ安全保障センター、新米国研究機構の3組織です。 シンクタンクの多くはこうした資金受領について情報公開しておらず、「利益相反」が隠されている可能性があると、報告書を執筆したベン・フリーマン氏は指摘しています。米国防総省や軍事企業から出資を受けたシンクタンク所属の専門家が、議会証言や調査研究で、防衛費の増額や武器売却の必要性を宣伝する可能性があるからです。この報告書は、結論として、シンクタンクが資金援助元に関する情報を公開することを法的に義務づけるべきだと勧告しています。 要旨の日本語訳はこちらのリンクからよむことができます。 シンクタンクと軍事企業のつながりについては、ICANが、核兵器製造企業からシンクタンクへのお金の流れを明らかにしています(こちらをご参照ください)。 日本においても、武器の購入や兵器の研究開発の必要性を訴える”専門家”や彼らが所属している組織が、どういうところからお金をもらっているのか、注目していく必要があるでしょう。

2021/09/11 · Leave a comment

新刊です!『絵で見てわかる 核兵器禁止条約ってなんだろう?』(8/29出版記念イベント)

このたび、私が監修した新刊『絵で見てわかる 核兵器禁止条約ってなんだろう?』が、旬報社から出版されました。核兵器の問題を小学生から大人まで理解できるように、絵や図で分かりやすく解説した本です。 『絵で見てわかる 核兵器禁止条約ってなんだろう?』 川崎哲監修 旬報社 B5・112ページ定価 4,180円(税込) 目次第1章 核兵器はやっぱりおそろしい第2章 増え続けて行った核兵器第3章 核兵器をなくすために、これまで世界が取り組んできたこと第4章 そして核兵器禁止条約が作られた核兵器禁止条約全文※被爆者の服部道子さん、三宅信雄さんの証言も掲載されています。 詳細> https://www.junposha.com/book/b589081.html 内容には自信がありますが、残念ながら少々高いものです。個人で購入するのは大変かもしれません。その場合に、ご近所の図書館や学校で備えつけるようにリクエストをしてもらえればと思います。また、お子さんやお孫さんへのプレゼントにもどうぞ!調べ学習の教材にも適しています。 ***** ピースボートでは、この出版記念として、下記イベントを行います。 8/29 子どもも大人もよく分かるー核兵器禁止条約ってなんだろう? 核兵器が存在するこの世界に生まれた子どもたちは、「核兵器のない世界」をどうすれば想像できるでしょうか。今回は、子育て真っ最中のおとなたちが、子どもたちの「?」に向き合いながら、疑問や質問をぶつけます。ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の国際運営委員をつとめるピースボートの川崎哲が、それらに答えながら、子どもとおとなが一緒に考えていく方法を探っていきます。 【日時】8月29日(日)15時~16時15分【配信】Youtube にて配信いたします。リンクはこちら【講師】川崎哲(ピースボート、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)国際運営委員)【参加費】無料(申込不要)【問い合わせ】ピースボート(担当:松村)pbglobal (a) peaceboat.gr.jp https://peaceboat.org/38538.html ★この新刊は、ピースボートが行っているクラウドファンディング「被爆を生き抜いた『明子さんのピアノ』を次世代に響かせたい!」のリターンとなっています。8月末日まで継続していますので、こちらにもどうぞご協力をお願いします。https://camp-fire.jp/projects/view/142370

2021/08/23 · Leave a comment

[2021.8] コロナ禍でも年8兆円

被団協新聞の8月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 コロナ禍でも年8兆円  昨年、世界の核保有国による核兵器への支出総額は726億ドル(約8兆円)だった。ICANの報告書によるものだ。米国374億ドル、中国101億ドル、ロシア80億ドルと続く。世界の総額は前年より14億ドル増え、1分あたり1500万円の計算だ。新型コロナが拡大しても、安全保障の支出見直しは起きていない。昨年の世界の軍事費総額も前年比2.6%増の2兆ドル(214兆円)で過去最大を記録した。 ICANの報告書はまた、昨年11の企業が核兵器に関わる契約を行い277億ドルの利益を上げたこと、そしてこれらの企業が1億ドル以上でロビイストを雇い、安全保障系のシンクタンクに1000万ドルもの資金提供をしていることを明らかにした。核兵器を製造している企業が「核兵器が必要だ」とする政策の決定にお金をかけて働きかけをしているのである。(川崎哲、ピースボート)  

2021/08/19 · Leave a comment