川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

[2021.6] ああ言えばこう言う

被団協新聞の6月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 ああ言えばこう言う  この間、ペリー元国防長官やカントリーマン元国務次官補が、米国が核兵器の先制不使用政策をとろうとしたが日本の反対で実現しなかったと証言した。4月、この問題を国会で問われた茂木外相は、先制不使用は「すべての核兵器国が検証可能な形で同時に」行わなければ機能せず、検証もできない宣言で「わが国の安全保障に万全を期すことは困難」と述べた。こちらから核を先制使用するのはやめようという提案に対して、相手が先制不使用を宣言しても信用できませんと返している。話のすり替えだ。 核兵器禁止条約に対して政府は「そのような包括的な合意は時期尚早だ。一歩一歩進むべきだ」と言ってきた。では先制不使用という一歩を踏み出してはどうかと言われると「包括的な合意がないから無理だ」という。ああ言えばこう言う。そもそも核兵器をなくす気があるのか。(川崎哲、ピースボート)  

2021/06/14 · Leave a comment

[2021.5] 日米共同声明

被団協新聞の5月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 日米共同声明  4月、菅・バイデン両首脳の初の共同声明では、米国による「核を含むあらゆる種類の米国の能力」を用いた日本防衛への「揺るぎない支持」が表明された。2017年の安倍・トランプ両首脳の初声明も「核」を明示していたが、それが再確認された形だ。3月の日米安保協議委員会(2+2)で合意された「拡大抑止の強化」が踏襲されている。 今回の共同声明は「台湾海峡」に言及するなど、中国と対峙する姿勢を鮮明に打ち出した。報道は米中新冷戦だとばかりの過熱ぶりだ。人権、民主主義、法の支配などの価値の共有が叫ばれているが、「平和」もまた基本的価値であるのを忘れてはならない。国連憲章の紛争の平和的解決の原則、日本国憲法の平和主義。核兵器についてはNPT第6条の下で米中共に核軍縮義務を負っている。まちがっても軍備競争に陥ってはならない。(川崎哲、ピースボート)  

2021/05/15 · Leave a comment

衆院選の候補者に「核兵器禁止条約 Yes or No!?」を聞いていきましょう

今年の秋までに衆議院議員選挙が行われます。選挙ではいろいろなことが争点になりますし、政治家たちに問わなければいけないことはたくさんあります。しかしその中でも、私は、核兵器禁止条約の問題が、もっとも重要な争点の一つとして議論されなければならないと思います。今年1月22日に発効した核兵器禁止条約の第1回締約国会議が、来年1月に開催される予定です。被爆国日本は、核兵器禁止条約に署名・批准すべきであり、それに向けてまずは第1回締約国会議に、最低限オブザーバーの形で参加すべきです。そのことについて、次の総選挙に立候補を予定している人たちがどう考えているのか一人ひとり尋ね、立場表明を促していきましょう。 そのために、議員ウォッチをどうぞご活用ください。 ●現職以外の候補予定者の方は、議員ウォッチの候補予定者フォームから、ご自身の立場を入力することができます。(こちらから) ●現職の衆議院議員には議員ウォッチのサイトに一人ずつのページがあり、そこからご自身の立場についての情報を送ることができます。 皆さん、是非ご自身の地元の候補予定者や現職議員に声をかけて、核兵器禁止条約への立場について議員ウォッチに回答を寄せるよう、促してください。すべての議員の電話、ファックス、SNSなどの連絡先が、議員ウォッチに出ています。また、候補予定者や現職議員のこの問題への態度について情報をお持ちの方は、是非議員ウォッチまでお知らせください。お待ちしております。 ※議員ウォッチの活動へのご支援をお願いしています。マンスリー・サポーターを広く募っています。詳しくはこちらから↓ どうぞよろしくお願いします。

2021/05/08 · Leave a comment

[2021.4] イギリスの危険な決定

被団協新聞の4月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 イギリスの危険な決定  英ジョンソン政権は3月、新しい外交安保政策で、保有核弾頭数の上限引き上げを発表した。同国は昨年6月現在195発の核弾頭を持っている。これを20年代半ばまでに180発以下にすると公約してきたが、今回これを撤回し、保有上限を260発にするというのだ。4割以上の引き上げである。イギリスはこれまで5核兵器国の中ではもっとも誠実に核軍縮に取り組んできただけに、驚くべき方針転換である。 脅威として名指しされたロシアや中国が反発して同様の行動を取れば、世界規模で核軍拡競争を助長しかねない。グテーレス国連事務総長も憂慮を表明している。NPT第6条の核軍縮義務や過去の再検討会議合意に違反していることは明らかであり、8月のNPT再検討会議でどう説明するのかが注目される。日本政府はきちんと憂慮を伝達し説明を求めるべきだ。(川崎哲、ピースボート)  

2021/04/18 · Leave a comment

核兵器の禁止から廃絶へ ~次の一手はこれだ!

核兵器禁止条約の第1回締約国会議が、来年1月12~14日にウィーンで開催されます。核兵器を非人道兵器として全面的に禁止した初の国際条約が、核兵器のない世界の実現に向けてついに動き始めるのです。各国政府そして市民がうつべき「次の一手」についてお話しするオンラインインベトを4月21日(水)に行います。事前の登録が必要です(こちら)。参加費600円ですが、議員ウォッチのマンスリーサポーターには無料での参加券が送られます(議員ウォッチへのお問い合わせはこちら)。また、4月24日(土)には、日本軍縮学会のシンポジウム「核兵器禁止条約と日本の選択」に登壇します。それぞれのイベント情報を以下に記します。 【4/21】核兵器の禁止から廃絶へ ~ 次の一手はこれだ! 核兵器禁止条約が発効してからまもなく3カ月が経ちます。核兵器を非人道兵器として初めて全面的に禁止したこの条約に、これまでに86カ国が署名、54カ国が批准しており(4月2日現在)、その数は増えています。この条約の第一回締約国会議が来年1月にオーストリアのウィーンで開催されます。それに向けて、さまざまな準備が各国政府およびNGOにより進められています。しかし、唯一の戦争被爆国・日本の政府は、いまだにこの条約に背を向けたままです。日本政府に条約批准を求める声は全国で上がっています。衆議院の解散総選挙が行われる今年、この問題を、国内で大いに議論していかなければなりません。 このイベントでは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営委員をつとめるピースボートの川崎哲が、核兵器禁止条約締約国会議や8月に予定されている核不拡散条約(NPT)再検討会議をめぐる各国の動き、NGOの動向、そして日本の政府、国会議員、市民の課題について、お話しします。核兵器禁止条約を生かして、核兵器を本当になくしていくための「次の一手」を具体的に考えていきます。 ■日時 2021年4月21日 (水) 19:00~20:30■場所 このイベントはオンラインで「Zoom」を使用して行います。開始までにZoomアプリをインストールしておいてください。■講師 川崎哲(ICAN国際運営委員/ピースボート共同代表)■参加費 600円■登録方法・イベント開始(4月21日(水)19時)までに、こちらのリンク(Peatix)から参加券を購入してください。(ただしコンビニ/ATMでのお支払いは、前日に締め切られます。クレジットカードの場合は当日まで購入できます。)・参加券を購入された方に「Peatix」より当日の参加ページへのリンクが送られます。当日そのリンクから参加してください。・参加券を購入された皆さまに、後日、このイベントを録画した動画へのリンクをメールでお送りします。■主催 ピースボート■お問い合わせ pbglobal(a)peaceboat.gr.jp■追記・なお、議員ウォッチのマンスリーサポーターには無料での参加券が送られます(議員ウォッチへのお問い合わせはこちら) 。 【4/24】日本軍縮学会:シンポジウム「核兵器禁止条約(TPNW)と日本の選択」 2021年1月22日に、核兵器禁止条約(TPNW)が発効しました。この条約は、核軍縮を実現する重要なステップだと思います。しかし、核兵器保有国の参加の道筋は不透明で、拡大抑止の下にある諸国は、日本も含めて条約への関心を示していません。ただ、この条約に対する国際社会の支持は高く、ICANを含めて、市民社会団体も支持の拡大に向けて多大な努力を繰り返しています。日本軍縮学会では、TPNWに対する社会の関心の高さをふまえ、この条約に対する論点を考察し、今後の議論の資としていきたいと思います。シンポジウムは、広く一般に公開しますので、ふるってご参加ください。 ■日時: 2021年4月24日(土) 13:00-14:30■方式: Zoomにて開催(参加申し込みいただいたのち、会議のリンクをお送りします)■使用言語: 日本語 ■登壇者:秋山信将(一橋大学)川崎哲(ピースボート、ICAN国際運営委員)司会・討論: 榎本珠良(明治大学)討論: 松本栄子(拓殖大学研究生) ■申し込みはこちら(個人情報は、本シンポジウムの目的のみに使用させていただきます)■問い合わせ先: 日本軍縮学会企画委員会(kikaku(a)disarmament.co.jp)■日本軍縮学会 企画・運営委員会

2021/04/17 · Leave a comment

「ひろしまレポート2021年版」が出ました

広島県が国際問題研究所に委託して制作した「ひろしまレポート2021年版」が4月14日に発表されました。これは核軍縮、核不拡散、核セキュリティをめぐる過去1年間の世界の動向を概観した報告書で、国際問題研究所の軍縮・科学技術センターが中心になってとりまとめています。この事業は2012年から続いていますが、私は初年度以来、研究委員の一人として、動向の調査、分析、評価に参加しています。このレポートでは、核保有国9カ国を含む全36カ国を調査対象国として、それぞれの国の核軍縮、核不拡散、核セキュリティに関する取り組みについて評点を付けています。点数の上下はいろいろありますが、点数そのものよりも、レポート本文にある動向の評価に注目して、主要国の一年間の動きに関する基礎資料として活用していただければと思います。本年版には、ベアトリス・フィンICAN事務局長が核兵器禁止条約に関してコラムを寄せています。 「ひろしまレポート2021年版」はこちらから。 関連報道 朝日新聞 2021.4.14 核廃絶「停滞・悪化のスパイラル」 ひろしまレポート 毎日新聞 2021.4.15 コロナ対策追われ「核軍縮への関心後退」 ひろしまレポート指摘 広島ホームテレビ 2021.4.15 核軍縮などの取り組みを採点「ひろしまレポート」公表 RCC中国放送 2021.4.15 核軍縮を評価 「ひろしまレポート」発表 核兵器国に厳しい評価

2021/04/17 · Leave a comment

「議員ウォッチ」のご案内とサポートのお願い

本年1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。広島・長崎の被爆者や世界の核実験被害者の方々が、自らが味わった苦しみを決して繰り返させまいと訴えてきたことが、国際法となりました。核兵器は、ついに違法化されました。この条約の発効は、核兵器廃絶に向けた世界の動きが、新たな段階に入ったことを意味します。 それにもかかわらず、核保有国はこの条約を拒み続け、唯一の戦争被爆国である日本も条約に署名・批准する姿勢をみせていません。日本の国会で議論も、まったく不十分なままです。 この状況を変え、日本での議論を活性化させようと、私が発起人となり「議員ウォッチプロジェクト」を立ち上げてからまもなく2年になります。 議員ウォッチ(https://giinwatch.jp/)では、日本の国会議員、都道府県知事、市区町村議会の「核兵器禁止条約」への賛同状況に関する最新状況が更新されています。 本日(4月8日)時点で◎国会議員の27%◎都道府県知事の42%◎市区町村議会の31%が「核兵器禁止条約」への賛同を表明しています。 議員ウォッチ(https://giinwatch.jp/)をみていただくと、国会議員および都道府県知事全員の立場、コメント、連絡先(住所、電話、ファックス、SNSを含む)がすべて出ています。意見書を提出した市区町村議会の一覧もあります。これらについて、常に最新情報が更新されています。 2019年4月に本プロジェクトを立ち上げた際には、国会議員の賛同率は10%でした。それがここまで増えてきたのは、多くの大学生を含むボランティアの方々が「議員ウォッチャー」として参加して、国会議員ら一人ひとりに働きかけをして下さったからです。私たちは昨年10月に「Go To ヒジュン!キャンペーン~日本も入ろう核兵器禁止条約」を開始し、「議員ウォッチャー」の精力的な働きかけによって、国会議員の賛同率を10%以上引き上げています。 それでも、各種世論調査で、日本の人々の明らかに過半数(最大値で75%)の人々が「日本は核兵器禁止条約に加わるべき」と回答していることを考えると、国会議員の賛同27%というのは、あまりにも低い数字です。 私たちは、この調査および働きかけの活動を今後も継続し、日本の国会議員の過半数が核兵器禁止条約に賛同する状況を作ろうと考えています。今年は衆議院総選挙があります。まもなくいくつかの補選も行われます。知事選挙もあります。核兵器禁止条約を国政の重要な争点とできる好機です。政府も「核兵器廃絶」という目標は共有していると言っています。世論の高まりによって、条約参加という政策転換は十分可能です。 ぜひ皆さん、とりわけ地元の議員や候補予定者に質問したり働きかけたりするときのツールとして、この議員ウォッチ(https://giinwatch.jp/)をご活用下さい。 とはいえ、日本政府が本当に政策転換するまでには少なくとも数年を要するでしょう。その間、この活動を継続するためには、ホームページとシステムの維持・運営、情報収集や調査、議員面会等に関わる通信交通費など、多くの費用がかかります。本プロジェクトをご寄付によって支えて下さる方々を、大募集しております。 ■議員ウォッチへの「寄付のしかた」https://giinwatch.jp/about/donate/ ■現在とくに「マンスリー・サポーター」を大募集していますhttps://giinwatch.jp/news/67/ コロナ禍により各方面で厳しい状況ではございますが、核兵器廃絶への歴史的な局面を前進させる好機です。ぜひ、議員ウォッチの積極的なご活用ならびに本プロジェクトへのご支援をよろしくお願いします。 2021年4月8日 川崎哲核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員ピースボート共同代表議員ウォッチプロジェクト代表者 議員ウォッチへのお問い合わせはinfo@giinwatch.jp

2021/04/08 · Leave a comment

[2021.3] 軍縮とジェンダー

被団協新聞の3月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 軍縮とジェンダー  軍縮にジェンダー(社会的な性)の視点を取り入れる動きが広がっている。2000年に国連安保理が上げた、国際平和活動への女性の完全参加を求める決議がその原点だ。近年ではNPT会議でもジェンダーと軍縮が論じられている。 論点の一つは、紛争や武器により女性に偏った被害が出ていることだ。直接的な性暴力はもちろん社会的影響もある。核兵器の場合には女性が放射線の影響を特に受けやすいという問題がある。 もう一つの論点は軍縮の議論の場への女性の参加促進である。各国政府代表団の男女構成は、今や評価の対象だ。男性だけの代表団や委員会、パネル討論などは忌避されている。 軍事力を「強い」優れたものとみなす価値観は、いわゆる「男らしさ・女らしさ」の固定観念と通じる。男女平等参画を通じて、そうした固定観念を打破する必要がある。(川崎哲、ピースボート)  

2021/03/19 · Leave a comment

原発事故から10年――フクシマの概観

2011年3月11日に東日本を襲った地震と津波、そして福島の原発事故から10年を迎えます。ピースボートは国際NGOとしてこれまで被害の実相や脱原発への展望を世界に発信してきましたが、この機に「原発事故から10年」にあたる福島と日本の現状を海外向けにまとめ、英語で発信しました。「10年目のフクシマ―その概観」(Fukushima 10 Years On – An Overview)と題する文章を私が執筆し、ピースボートのメリ・ジョイスが翻訳しました。 その英文と、元の日本語文は以下のリンクでご覧になれますので、ご紹介します。 Fukushima 10 Years On – An OverviewMar 7, 2021https://peaceboat.org/english/news/fukushima-10-years-on-an-overview Ten years have passed since the devastating earthquake and tsunami that struck eastern … Continue reading

2021/03/08 · Leave a comment