憲法記念日の前日にあたる5月2日、ピースボートで記者会見を行い、昨年ICANがいただいたノーベル平和賞のメダルと賞状を、これから地球一周&全国出張させていきますという発表をしました。昨年のノーベル平和賞は、核兵器禁止条約の成立に対して貢献した世界的なNGO・市民運動の連合体であるICANに贈られました。広島・長崎の被爆者や世界各地の核実験被害者が、この運動の先頭に立ってこられました。この平和賞は、こうした核の被害者をはじめ、核兵器の禁止と廃絶のために努力してきたすべての人たちに向けられたものです。
そこで私たちは、この平和賞のメダルと賞状を、国内外なるべく多くの人たちに見てもらい、手にとってもらいたいと思いました。ピースボートの地球一周の船旅で、被爆者の証言会を行いながら世界中の人々にお見せしていくと同時に、国内でも「展示や撮影会などの企画に使用したい」という方々の申し込みを受け付けます(詳しくはこちら)。8月には、広島・長崎の両資料館で展示されます。ぜひ、ノーベル平和賞メダルと賞状をご自身の目で見て、できれば手にとって、平和のために自分に何ができるか考えて、行動してほしいと思います。
翌3日の東京新聞には「平和賞メダル貸します」という見出しでこのことが報じられたほか、なんと10年前の「9条世界会議」のことが特集で取り上げられています。私はこの世界会議の実行委員会事務局長をつとめましたが(それは本当に大変な仕事でしたが)、なぜあの会議を開いたのか、どのような意義があったのかということについて長いインタビューで話をさせてもらいました。9条は「世界の宝」という見出しの記事で、日本の憲法9条が国際的に評価された主要な10の国際会議が並んでいますが、私はこのうち7つに参加しており、これらのいくつかの提言や宣言の策定過程にかかわってきましたので、このような形でまとまった記事が出たことは感慨深いです。
いま朝鮮半島の非核化と平和が大きなテーマになっています。核や武力の脅しでは、結局のところ非核化も平和も達成できません。外交交渉を行い、きちんとした国際ルールを定めていくことが答えです。現実の情勢も、その方向に動いています。核の脅しに対しては、核の脅しで返すのではなく、核兵器禁止条約を使う。それが答えです。日本の9条は「武力によらずに平和を作る」ということをうたっていますが、核兵器禁止条約はそのような精神の一つの具現化です。核兵器禁止条約に反対する日本政府の姿勢は、戦後平和憲法の精神をふみにじるものです。
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