被団協新聞の9月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
核抑止論の愚かさ
8月6日の広島の式典では湯崎知事の挨拶が異彩を放った。知事は核抑止論を仲の悪い隣家に例えた。お隣のご一家全員を家ごと吹き飛ばす爆弾を仕掛けてある。お隣もうちを吹き飛ばす爆弾を仕掛けている。「決して大喧嘩にはならないし爆弾は多分誤作動しない」から安心しろ。こんな話を大人が本気で子どもに説明できるのか、と問うたのだ。若い世代には、核の恐ろしさより、核の愚かさを伝えることの方が早いのかもしれない。
日本政府による核軍縮「賢人会議」は今年3月の提言で「核抑止は…安定を促進する場合もあるとはいえ、長期的かつグローバルな安全保障の基礎としては危険なもの」だとした。だから「より良い長期的な解決策」が必要だという。その通りだ。しかも「長期的な」などと言ってはいられない。隣家の爆弾が誤爆する可能性があるのだから。(川崎哲、ピースボート)
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