被団協新聞の11号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
核不使用の約束?
NPT再検討会議では核保有国も含め「核兵器は決して使われてはいけない」とくり返し確認された。だが実際の政策はどうか。先のNPT最終文書案では「先制不使用」や核の役割を抑止に限定する「唯一目的政策」が言及されていたが、後に削られた。さらに核保有国の同盟国も核の役割を減らすべきとの文言が最初あったが削られた。また非核兵器国には核を使用しないという「消極的安全保証」については、最初は無条件でとなっていたが「核保有国の声明に従って」という言葉が挿入された。これは、非核国が核保有国と同盟している場合は保証の限りではないという意味だ。このように核不使用の約束はどんどん骨抜きになっていった。そして今年の国連総会での日本決議案は、核の先制不使用にも役割低減にも言及していない。これでどうやって「核兵器を使わせない」というのか。(川崎哲、ピースボート)
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