被団協新聞の5月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
核使用の条件?
3月、ロシアの報道官が「国家存亡への脅威があれば核兵器を使用する」と発言した。それがロシアの公式の核政策である。国際司法裁判所は1996年の勧告的意見で核兵器の使用・威嚇は「一般的に国際法違反」だが「国家存亡に関わる極限状況では判断できない」とした。核兵器国は、だから国家存亡の危機では核使用は許されると解釈してきた。
だが「国家存亡の危機」など、いかようにも解釈可能だ。たとえば経済制裁で国家存亡の危機とだって言える。
一方米バイデン政権は核態勢見直しで、核の先制不使用の約束はせず、米国や同盟国の死活的利益を守る「極限状況」では核を使用するとしている。これまた何をもって極限状況というかは不明だ。
結局、条件付きで認めてはダメなのだ。核兵器禁止条約のように、いかなる場合でも使用禁止にしないと、本当の安全はない。(川崎哲、ピースボート)
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