被団協新聞の6月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
条約は発展する
NPT(核不拡散条約)が発効して50年。条約の規定じたいは変わらないが、その後に生まれた条約がNPTをも発展させてきた。
例えば96年、CTBT(包括的核実験禁止条約)があらゆる核爆発を禁止した。これによりNPT第5条に定められていた「平和的核爆発」という考え方は事実上無効になった。
これまでの条約より厳しい条約ができれば、規範が上書きされる。
核兵器禁止条約についても同様だ。禁止条約は核兵器の使用・威嚇やその援助、他国の核の国内配備など、NPTにはなかった行為も禁止している。これまで欧州5カ国が米国の核を自国内に配備する行為はNPTには違反しないと解釈されてきたが、禁止条約ができた今、その解釈はいつまでもつか。核軍縮・不拡散の両面で、規範をたえず発展させていくことが、核廃絶を達成するためには不可欠である。(川崎哲、ピースボート)
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