被団協新聞の5月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
日米共同声明
4月、菅・バイデン両首脳の初の共同声明では、米国による「核を含むあらゆる種類の米国の能力」を用いた日本防衛への「揺るぎない支持」が表明された。2017年の安倍・トランプ両首脳の初声明も「核」を明示していたが、それが再確認された形だ。3月の日米安保協議委員会(2+2)で合意された「拡大抑止の強化」が踏襲されている。
今回の共同声明は「台湾海峡」に言及するなど、中国と対峙する姿勢を鮮明に打ち出した。報道は米中新冷戦だとばかりの過熱ぶりだ。人権、民主主義、法の支配などの価値の共有が叫ばれているが、「平和」もまた基本的価値であるのを忘れてはならない。国連憲章の紛争の平和的解決の原則、日本国憲法の平和主義。核兵器についてはNPT第6条の下で米中共に核軍縮義務を負っている。まちがっても軍備競争に陥ってはならない。(川崎哲、ピースボート)
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