被団協新聞の7月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
核実験再開?
5月、米政府が核実験再開を検討したとの報道が出た。正確には核爆発を伴う実験のことだ。1996年にあらゆる核爆発実験を禁ずる包括的核実験禁止条約(CTBT)ができると、クリントン大統領は署名した。そして核爆発を伴わない未臨界実験を通じて核兵器の維持を行ってきた。だがブッシュ政権下で議会はCTBTの批准を否決。米国は核爆発実験のオプションを手放すべきでないという主張は当時より根強い。
トランプ政権は、ロシアや中国がCTBTに違反して小規模な核爆発実験を行っている可能性があると批判している。これまでトランプ政権は、INF条約でもイラン合意でも、相手の違反を主張し自ら脱退を宣言するという行動を繰り返してきた。今度はCTBT「署名撤回」が懸念される。そのような事態になれば、国際法に基づく核軍縮自体が危機に瀕する。(川崎哲、ピースボート)
Recent Comments