川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

自民党総裁選と核兵器――解説始めました

9月27日に投開票が行われる自民党総裁選挙に、9人が立候補しています。議員ウォッチプロジェクトでは、核兵器をなくす日本キャンペーンのボランティアの皆さんの協力をえて、候補者たちに核兵器に関する政策についてのアンケート調査をしています。しかしいずれの候補者も反応が悪く、回答集めには苦戦しています。とはいえ、調査はめげずに継続していきます。そしてそれと並行して、各候補が核兵器に関わる外交・安保政策について発言している内容を取りあげ、解説をしていくことにしました。この解説が、議論のきっかけになればと思います。解説・川崎哲の「自民党総裁選挙と核兵器」2024は、こちらからご覧になれます。

2024/09/20 · Leave a comment

[2024.9] 核兵器に14兆円

被団協新聞の9月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 核兵器に14兆円  ICANの調べでは昨年一年間の核保有9カ国による核兵器への支出総額は914億ドル(約14兆円)。前年比で13%増加した。 うち米国は515億ドル(7.7兆円)を支出しており、他の全ての核保有国の支出総額を超えている。第二位は中国で119億ドル第三位はロシアで83億ドルと続く。ICANがこの調査を始めた5年前に比べ、世界の核兵器支出総額は34%増えた。 一方で世界20社の企業が核兵器の開発や維持で昨年少なくとも310億ドル(4.7兆円)を稼いだ。継続中の契約は3350億ドル(50兆円)以上あり、昨年は新規契約が79億ドル以上あった。これらの企業は政府やシンクタンクに影響力を行使している。米仏政府へのロビー活動に1.2億ドルを費やし、主要シンクタンクに6百万ドルを寄付している。核兵器ビジネスは、このように回っているのだ。(川崎哲、ピースボート)

2024/09/16 · Leave a comment

[2024.8] AUKUS

被団協新聞の8月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 AUKUS  2021年に発足した米国、イギリス、オーストラリア(豪州)3カ国の軍事同盟「AUKUS」が、世界に暗い影を落としている。 AUKUSの第一の柱は、米英による豪州への原子力潜水艦の供与だ。原潜の燃料となる高濃縮ウランを非核保有国豪州に提供するものであるため、核不拡散に反するとの懸念がNPT再検討会議で出されてきた。インドネシアなどは「軍備競争を助長」することへの懸念をくり返し表明している。 第二の柱は、AI(人工知能)の軍事利用や極超音速ミサイルなどの「先進能力プロジェクト」で、日本の参加が決まっている。 中国への対抗という性格が色濃いこの同盟は、正式な条約でなくパートナーシップ協定として各国の議会を通さず進められている。同盟強化で対立を煽るよりも、地域共通の安全保障を図ることに注力すべきでないか。(川崎哲、ピースボート)

2024/08/18 · Leave a comment

広島・長崎の平和式典

広島・長崎での平和記念式典への参列や、さまざまなイベント開催を終えて、東京に戻りました。 このかん、イスラエルを平和記念式典に招待するかどうかという問題、そしてそれに対する米国をはじめとするG7諸国の対応という問題について、多くの報道がありました。この問題について、私もいろいろと発言しましたが、その報道等を以下にご紹介します。8月9日に公開されたデモクラシータイムスの番組(約70分)では、この問題について、そもそも平和式典というものがどのようなもので、どうあるべきかということについて、私の考え方をたっぷりとお話ししています。 X(ツイッター)の投稿:https://twitter.com/kawasaki_akira/status/1821142399751745806 毎日新聞(8月6日付):「ロシアを招かず、イスラエルは招いた広島の平和式典 その理由と評価」https://mainichi.jp/articles/20240806/k00/00m/040/310000c Japan Times(8月8日付):Nagasaki peace ceremony overshadowed by diplomatic wranglinghttps://www.japantimes.co.jp/news/2024/08/08/japan/nagasaki-ceremony-suzuki/ Asia Times(8月9日付)Pro-Israel G7 ambos boycott Japan A-bomb ceremonyhttps://asiatimes.com/2024/08/pro-israel-g7-ambos-boycott-japan-a-bomb-ceremony/ 朝日新聞(8月10日付):「大使ら欠席の背景に「許した」の誤解 ICAN川崎さんが感じた変化」https://digital.asahi.com/articles/ASS894CJMS89PTIL016M.html デモクラシータイムス(8月9日公開):G7大使「長崎」ボイコット 政治利用される平和の式典

2024/08/11 · Leave a comment

『平和研究』に投稿しました――「軍事力への依存から脱却するために」

日本平和学会のジャーナル『平和研究』第62号に「軍事力への依存から脱却するために」と題して投稿しました。こちらで読むことができます。これは、2023年6月に奈良大学で開かれた日本平和学会2023年度春季研究大会の部会(写真▲)における、平和構想提言「戦争ではなく平和の準備を」をベースにした報告と討論に基づく論考です。このたび地平社から出版された青井未帆さんとの共編著『戦争ではなく平和の準備を』の問題意識とも重なるものです。世界の分断が深まり軍拡が進む中で、軍事力に依存しない安全保障を考える一助になれば幸いです。 日本平和学会『平和研究』第62号(2024年7月)所収川崎哲「軍事力への依存から脱却するために」 (抄録) 日本政府は、2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略など安全保障3文書をもとに「防衛力の抜本的強化」へと突き進んでいる。憲法9条の下での「専守防衛」政策は本質的に転換された。戦後約80年が経ち、軍事的「抑止力」を肯定する意識はかなり主流化した。本稿では、そこにみられる軍事力中心主義を批判的に検証し、それから脱却するための視点を探る。 筆者が共同座長をつとめる「平和構想提言会議」(2022年10月発足)が出してきた提言や関連の声明を踏まえ、まず軍事力増強が戦争のリスクをむしろ高めることを指摘する。そして、東アジアで戦争が起きたらどうなるかを論じ、それを回避するための軍縮と緊張緩和、信頼醸成の必要性を説く。 軍事力そのものへの根本的批判として、(1) 軍拡競争と安全保障のジレンマ、(2) 軍拡の機会費用、(3) 抑止と威嚇の関係、(4) 人権と民主主義、(5) 軍事力が問題を何ら解決しないといった論点を挙げる。 そこからの脱却には、第一に防衛・安保政策の決定プロセスの民主化、第二に東アジアの信頼醸成のための対話、第三に平和的生存権や紛争の平和的解決といった原則の復権が必要である。 世界を「西側」対「それ以外」の二項対立でとらえ、日本が米国との「同盟強化」一辺倒で進むのは危険である。アジア近隣諸国や非同盟諸国との連携を強め、市民社会が参加する多元的な安全保障を追求すべきである。

2024/07/27 · Leave a comment

[2024.7] 進む核軍拡

被団協新聞の7月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 進む核軍拡  冷戦終結以降、世界の核兵器の数は減ってきた。90年代前半は大幅に減り、以後は緩やかになりつつも減少は続いてきた。今年6月現在で世界の総数は1万2120発、前年より微減だ。しかし、実際に配備されている核弾頭と、配備のために貯蔵されている核弾頭を足した「現役の核弾頭」の数は9583発で、2018年からの6年間で332発(3.6%)増加している。「使える核」は増えているのだ。 増加が顕著なのは中国、北朝鮮、インド、パキスタンである。かつては米国とロシアが世界の核の9割以上を保有していたが、今日では8割台である。核拡散が進んでいる証だ。 イタリアでのG7サミット首脳宣言は「冷戦後の世界の核兵器の減少傾向は維持されなければならない」としているが、現実に世界は核軍拡の時代に突入している。(データは長崎大学RECNA)(川崎哲、ピースボート)

2024/07/21 · Leave a comment

単行本『戦争ではなく平和の準備を』が出ます

平和構想提言会議が2022年12月に出した提言「戦争ではなく平和の準備を―”抑止力”で戦争は防げない」を基にした単行本が地平社から出ます(7月29日出版)。同会議の事務局をつとめる平和構想研究会の研究会合でこれまで報告をされてきた皆さまを中心に短期間で執筆していただき、学習院大学教授の青井未帆さんと私の共編という形でとりまとめをさせていただきました。平和構想提言会議のこれまでの提言と声明は、全文を掲載しています。 また、9月6日(金)午後4時~6時に、衆議院第二議員会館にて、本書の出版を記念するシンポジウムを開催する予定にしております。詳しくはまたご案内いたします。 ================(以下、地平社のサイトより)================ 戦争ではなく平和の準備を 加速する戦争準備に抗うための論集。軍事費の大幅な増加や、さらなる米軍との一体化など、政府は急速に「抑止力の強化」=軍拡を進めている。 「安全保障環境の変化」がその口実だが、軍拡がさらなる軍拡をもたらし、「安全保障環境」を自ら悪化させてはいないか。 戦争への準備そのものが、戦争のリスクを増やしているのではないか。 そして、だからこそ、私たちは憲法によって、政府が戦争に備えることを禁じたのではなかったか。 戦争ではなく平和を構想していくために、気鋭の研究者や専門家が論点を掘り下げる。 著・編者:川崎 哲/青井未帆2024年7月29日発売四六判並製、256ページ、1800円(税別)地平社 もくじはじめに――〈侵食〉に抗する粘り強い思考を(青井未帆)第1章 いま、なぜ市民の平和構想が必要なのか(川崎 哲)第2章 戦争準備と沖縄(池尾靖志)第3章 「対米従属」の現在地(猿田佐世)第4章 変容する日本の国際援助(今井高樹)第5章 軍事費増大の構造と歴史(山田 朗)第6章 ジェンダーの視点から軍拡を考える(秋林こずえ)第7章 「死の商人国家」への堕落をどう食い止めるか(杉原浩司)第8章 平和学は平和の実践とどうつながるのか(堀 芳枝)第9章 平和のアジェンダを再設定する(君島東彦)第10章 【提言】戦争ではなく平和の準備を    【声明】「戦争の時代」を拒み、平和の選択をおわりに 平和への議論の共有を(平和構想研究会) 著・編者について川崎 哲(かわさき・あきら)ピースボート共同代表。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員。平和構想提言会議共同座長。著書に『核兵器 禁止から廃絶へ』(岩波ブックレット)など多数。平和構想研究会代表。青井未帆(あおい・みほ )学習院大学大学院法務研究科教授。専攻は憲法学。平和構想提言会議共同座長。著書に『憲法を守るのは誰か』(幻冬舎新書)、『憲法と政治』(岩波新書)など多数。 詳細:https://chiheisha.co.jp/2024/07/12/9784911256114/

2024/07/18 · Leave a comment

『世界』8月号――「戦争をやめ、核兵器禁止条約に参加せよ」

岩波書店『世界』8月号(7月8日発売)に、「戦争をやめ、核兵器禁止条約に参加せよ」と題する文章を寄せました。 現在の世界の核兵器をめぐる情勢、岸田政権の核軍縮政策の批判的検討、核兵器をなくす日本キャンペーンの発足、そして、NPT準備委員会、核兵器禁止条約第3回締約国会議、さらに被爆80年への課題を整理しています。 詳しくは、こちらから▼https://www.iwanami.co.jp/book/b649447.html

2024/07/07 · Leave a comment

『地平』8月号に平和構想研究会の論文と座談会が掲載されました

先月創刊された地平社の月刊誌『地平』の8月号(7月5日発売)に、 「加速する戦争準備と溶解する立法府」と題して、 今年の通常国会会期中に行われた安全保障関連の立法や政策発表をまとめた論文を平和構想研究会として発表しました。 そして、その内容に関連して、猿田佐世さん、杉原浩司さんと私の座談会「平和への市民側の課題をめぐって」も掲載されています。 これは同誌・同号における「戦争準備への対抗」という特集の一環で、このほかに、前田哲男さん「米軍従属の到達点――統合作戦司令部の本質」、海渡雄一さん「経済秘密保護法は何が問題か」などが掲載されています。 詳しくは、こちらから▼https://chiheisha.co.jp/2024/06/27/chihei8/

2024/07/06 · Leave a comment