
被団協新聞の2月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
第2次トランプ政権
第2次トランプ政権は核軍縮や平和にどんな影響を与えるか。軍事政策上の核兵器の役割は、拡大に向かうだろう。民主党政権では縮小、共和党では拡大という振り子である。
一方でかつて初の米朝首脳会談を行ったように大胆な軍縮交渉に出る可能性もある。中ロとの間においてもだ。
「ウクライナ戦争を終わらせてくれるのでは」という漠然とした期待が持たれているのも、彼の強力な交渉力ゆえだろう。これらのいくつかは実現するかもしれない。
私が危惧するのは、あからさまな国際ルール無視の姿勢がもたらす悪影響だ。各国が自国の利益を優先するのは当然だが、それは経済であれ軍事であれ、一定のルールの上でのはずである。ルールなど邪魔で無用だという外交が続けば、世界的ダメージは大きい。
日本は「交渉に負けない」ということもあるが、より重要なのは「国際ルールを壊させない」ことだ。国際法に従う核軍縮も、その一つである。(川崎哲、ピースボート)
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