
被団協新聞の6月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。
殺人ロボットの禁止へ
4月末、オーストリアはウィーンで自律型兵器の規制に関する国際会議を開催した。自律性兵器とは人工知能(AI)が自ら標的を探知し攻撃する兵器システムのことで「殺人ロボット」とも呼ばれる。人間の関与なしに兵器自身が殺傷を行うことは深刻な倫理的問題をはらむことから、禁止を求める声が上げられてきた。昨年国連総会で初の決議が採択されている。
「人類の岐路」と題した今回の会議には日本を含む144カ国が集まりNGOストップ殺人ロボットキャンペーンからも60名が参加した。議長総括は「標的の選別や生死に関わる判断を機械に任せる」ことに懸念を表明し「武力行使への政治的敷居が下がる」リスクも指摘した。会議が開かれたホーフブルク宮殿は10年前に核兵器禁止への「人道の誓約」が発せられた所だ。核禁条約に続き殺人ロボット禁止条約への動きが始まった。(川崎哲、ピースボート)
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