川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

[2023.8] 核共有とNPT

被団協新聞の8月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。

核共有とNPT

 ロシアがベラルーシに核兵器配備を進めている。プーチン大統領は「NPTに違反しない」と主張している。
 ドイツやイタリアなどNATO5カ国には計約百発の米国の核兵器が置かれている。これはNPTに違反しないとの解釈が一般的である。その理由の一つは、これらの核配備がNPTができる以前の1950年代に始まっていることであり、もう一つは、これらの核兵器は米国が管理しているとされることだ。NATOの中には、戦争が始まればNPTは無効になりこれらの国々が米国と核兵器を共同運用しても問題ないとの主張がある。
 ロシアによるベラルーシへの配備はNPT成立後初のケースとなる。管理はロシアが続けるというが、ルカシェンコ大統領は「我々の兵器だ。我々が使う」とも述べている。
 ポーランドも核共有を求め始めた。NPTが崩れつつある。(川崎哲、ピースボート)

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This entry was posted on 2023/08/23 by in 非核水夫の海上通信.