川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

核兵器をなくすための「日本キャンペーン」を始めます。クラウドファンディングにご協力ください

このたび、「本気で核兵器をなくす」ための大規模な日本キャンペーンを始めることを決め、その立ち上げのためのクラウドファンディングを開始しました。世界には核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)があり、核兵器禁止条約をつくることに成功しました。ならば日本には、核兵器廃絶日本キャンペーンが必要ではないか。核兵器廃絶日本キャンペーンが、核兵器禁止条約に日本が加わることを求める大きなキャンペーンを行い、そしてそれを実現させる必要がある。そう考えたのです。 大事なことは、日本の核兵器禁止条約への参加を「本当に実現する」、そしてそのために「本気を出す」ということです。条約ができてから6年が経ちましたが、政府は背を向けたままです。これに対してただ「入れー」と言っていただけでは、いつまで経っても日本は入りません。日本の署名・批准を実現するためには、政府や国会議員らが無視できないくらいまで世論を大きくすること、そして、政治に力強く働きかけていく必要があります。与野党問わず、すべての政党に働きかけていくことが肝要です。 年に一回、8月の広島・長崎の「原爆の日」の頃にだけ「核兵器廃絶」を語る、というようなことをくり返していても、前には進みません。たえず、くりかえし、強力な世論喚起と政治への働きかけを継続していかなければなりません。そのためには、このキャンペーンに専属で動ける人たちを何名か雇用することも必要になります。核兵器禁止条約が成立して以降、日本の若い世代の間で、このテーマに関心をもって積極的に活動する高校生、大学生、大学院生らがとても増えたと感じています。昨年の核兵器禁止条約締約国会議でも、そうした若者が日本から多数ウィーンに集まりました。私は、こうした人たちの中で意欲ある人たちが核兵器廃絶日本キャンペーンのスタッフとして活動できる状況を作り出したいと考えています。 核兵器廃絶に取り組む日本の多くの団体・個人が集う核兵器廃絶日本NGO連絡会では、昨年来、こうした日本キャンペーンの立ち上げの可能性について議論を重ねてきました。そしてこのたび、同連絡会が母体となった新しい日本キャンペーンを立ちあげることを決め、その立ち上げのためのクラウドファンディングを開始したのです。国際平和デーである9月21日(木)までに1000万円を集めることを目標にしています。7月24日に始め、出だしは順調ですが、1000万円というのはそう簡単に集められる金額ではありません。皆さんお一人お一人のご支援が必要です。どうぞよろしくお願いします。 核兵器廃絶日本NGO連絡会は、2010年から活動を続けています。ピースボートは当初からの参加団体の一つであり、私は同連絡会の共同代表の一人を務めています。世界に核兵器廃絶国際キャンペーンがあり、日本に核兵器廃絶日本キャンペーンがある状況が生まれれば、世界における核の脅威のこれ以上の高まりをおさえ、核兵器を廃絶へと導くための運動がこれまでとは違った次元で展開できるようになるはずです。皆さんのご理解と、あたたかいご協力をお願いします。ご寄付は、是非、今日お願いします。(善は急げ!)クラウドファンディングはこちらからhttps://camp-fire.jp/projects/view/685805 以下、核兵器廃絶日本NGO連絡会からのメッセージです。ぜひ、転送・転載して、広めてください。皆さんのご協力をよろしくお願いします。川崎哲 核兵器をなくすための「日本キャンペーン」クラウドファンディングにご協力くださいhttps://camp-fire.jp/projects/view/685805  本気で核兵器をなくしたい。そのために、日本の核兵器禁止条約への参加を必ず実現したい。そのための大規模な「日本キャンペーン」を立ち上げようと、核兵器廃絶日本NGO連絡会はこのたび、クラウドファンディングを始めました。国際平和デーである9月21日(木)までに1000万円を集めることを目標にしています。 ■日本は核兵器禁止条約へ参加を いま世界には、1万2000発以上の核兵器があります。そして年間10兆円以上のお金が、核兵器のために、世界で費やされています。でも、核兵器をなくすことはできます。核兵器をなくせば、この世界は、今よりもずっと平和で、豊かで、誰もが暮らしやすいものになります。核戦争におびえないで生きられる社会をつくりましょう。 核兵器禁止条約が、すでに、できています。すでに世界の半数近くの国が、この条約に加わっています。それでも、日本は、まだ加わっていません。日本は、核兵器禁止条約に加わるべきです。広島・長崎の原爆被害を経験した国・日本がこの条約に加われば、世界を大きく動かします。核なき世界へと、大きく近づきます。 そのために、日本政府を動かすような、力強い、政治への働きかけが必要です。私たちは、日本政府と、すべての政党の議員たちに、働きかけをしていきます。核兵器をなくすための「日本キャンペーン」を始めます。https://camp-fire.jp/projects/view/685805 ■「日本キャンペーン」が取り組むこと 日本が核兵器禁止条約に参加することが、核なき世界への入り口です。「日本キャンペーン」では、日本の条約参加に向けて、以下のような取り組みを行うことを計画しています。集まったお金は、こうした活動のための諸経費(人件費含む)に充てられます。https://camp-fire.jp/projects/view/685805 【1】国会議員への働きかけ:核禁条約に関する議員向け解説冊子作成 / 全政党要請・勉強会の開 催 / 全議員訪問、「誓約」要請、国会質問の作成協力 / 政党代表者間の討論会開催【2】政府への働きかけ:政府との意見交換会の定期開催 / 国際会議に合わせた対政府要請【3】核兵器禁止条約に関する広報・イベント:核禁条約に関するパンフレットの作成と普及 / 9.26 「核兵器廃絶国際デー」イベント開催【4】「核兵器禁止条約フォーラム」開催:専門家を招いて「核兵器禁止条約に日本が加わる道筋」 を議論 / 反対派、慎重派の声も聞きながら幅広い議論を展開 皆さまのご協力をお願いします。https://camp-fire.jp/projects/view/685805 お問合せ> nuclear.abolition.japan (a) … Continue reading

2023/07/30 · Leave a comment

[2023.7] 増大する核兵器支出

被団協新聞の7月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 増大する核兵器支出  6月、ICANは世界の核兵器支出報告書を発表した。核保有9カ国による昨年の支出総額は829億ドル(11兆円超)に上り、うち290億ドル以上が民間企業の収益になっている。全体の半分以上が米国のもので、その額は437億ドル。ロシアは米国の22パーセントにあたる96億ドル、中国は同27パーセントにあたる117億ドルを支出している。 民間企業にかかる継続中の核兵器関連契約総額は2786億ドル(39兆円)で、中には今後数十年続くものもある。昨年は159億ドル(2兆円)以上の新規契約が結ばれた。これらの企業は政府へのロビー活動に、米仏2カ国だけで1.1億ドル以上(158億円)費やしている。また核保有国の主要10のシンクタンクは、政府や核兵器製造企業から2.1~3.6千万ドルを受け取っている。まさに核兵器ビジネスである。(川崎哲、ピースボート)

2023/07/21 · Leave a comment

[2023.6] アクション・プラン?

被団協新聞の6月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 アクション・プラン?  G7では日本の「ヒロシマ・アクション・プラン」が支持されたと政府は自賛している。だがその内容はどうか。 第一に「核不使用の継続」。ならばなぜ核の使用・威嚇を禁じた核兵器禁止条約に反対するのか。「先制不使用」にさえ反対しているではないか。第二に「透明性の向上」。2010年のNPT会議以降言われ続けているが、核兵器国は報告書式にすら合意できていない。第三に核の「減少傾向の維持」。イギリスは二年前に表明した核保有数上限の引き上げを撤回すべきだ。第四に原子力の平和利用の促進。日本の大量のプルトニウム保有や、福島の処理汚染水海洋放出に対する国際的懸念にどう答えるのか。第五に被爆地訪問と軍縮教育の促進。これは被爆者やNGOが長年やってきた分野だ。何か取り組むなら市民と協力すべきだが、政府からそうした打診は今のところない。(川崎哲、ピースボート)

2023/06/22 · Leave a comment

新刊『僕の仕事は、世界を平和にすること。』が出ました

このたび、旬報社から新しい本を出しました。書名は『僕の仕事は、世界を平和にすること。』。主に10代向けに書きました。中身を自分で説明するのはちょっと恥ずかしいので(自分のことについてたくさん書いている本です)、旬報社さんのホームページにある宣伝文句と本書の目次を以下に貼り付けます。第3章にある「世界を平和にするために 僕が大事だと考える13のこと」は、私なりに自らの活動と人生を振り返って、NGOや平和活動の基本原則13箇条をまとめたものです。「おわりに」では、現在進行中のウクライナ戦争や、今日の世界における軍縮のテーマについての向き合い方を書きました。税込み1,760円です。 川崎哲『僕の仕事は、世界を平和にすること。』旬報社 外交官じゃなくても、国連職員じゃなくても、世界を平和にすることはできる! 「職業:平和活動家」2017年にノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の中心メンバーである著者が、平和づくりに体当たりで挑んできた半生を振り返り、一市民として「世界の平和」と向き合うためのヒントを届けます。 目次 はじめに 世界を平和にする仕事 第1章 いま僕がやっていること ピースボートとICANピースボート地球は丸いピースボートのしくみピースボート地球大学世界のことを学ぶステップ国連への提言活動武力紛争の予防日本国憲法九条の意味広島・長崎の被爆者と共にICANと核兵器禁止条約被爆者や市民の役割ノーベル平和賞受賞式国際活動は楽しいけれど、楽ではない原発をどう考えるかNGOとNPO 第2章 僕が「平和」について考えるようになったわけ父と母のこと広島に連れて行っていくれた父中学・高校時代二次方程式の解の公式中国語を学んで中国へ中東・コーカサスへの旅大学で学んだことビルマ民主化運動への支援湾岸戦争が大きなきっかけ外国人労働者とホームレスの支援障害者介助の仕事挫折、NGO、結婚 第3章 世界を平和にするために 僕が大事だと考える13のこと1 まずは日本を飛び出てみる2 国を疑え3 自分も疑え4 自分の意見を表現する5 SNSやメディアとどう付き合うか6 「よい戦争」なんてない7 仲間を増やし、横につながる8 英語はできた方がいい?9 お金は後からついてくる10 現場と政策のあいだを行き来する11 大きな視点をもち、中くらいの目標を立てる12 反対の立場の人と対話する13 活動することと自分の幸せ おわりに 戦争をなくすために 6月19日にピースボートセンターとうきょうで出版記念トークをやりました。そのときの動画です▼

2023/05/28 · Leave a comment

[2023.5] 核兵器への援助

被団協新聞の5月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 核兵器への援助  ロシア国防省は4月、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行い成功したと発表した。新型ミサイルの開発に向けたものだといい、米政府には事前通告をしたとしている。 ミサイルは南部の試験場から発射され、隣国カザフスタンの試験場に置かれた標的に命中したという。カザフスタンの試験場は、これまでもロシアの実験に使われてきた。 カザフスタンは核兵器禁止条約の締約国である。同条約は第1条で、核兵器の開発、保有、使用を禁止し、それらの行為をいかなる形であれ援助、奨励、勧誘することを禁止している(e項)。ICBMは核兵器の運搬手段であり、その実験に協力することは核兵器開発の援助にあたると考えるべきだろう。カザフスタン政府は締約国としてまずはしっかりと説明し、今後ミサイル実験に協力しないと表明すべきだ。(川崎哲、ピースボート)

2023/05/16 · Leave a comment

NHK「日曜討論」ご視聴ありがとうございました

5月14日にNHK・日曜討論「G7広島サミット “核なき世界”への道は」に出演しました。ご視聴くださった皆さまありがとうございました。5月21日(日)午前10時まで「見逃し配信」での視聴が可能です。以下のリンクから(NHK+への登録が必要)。https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2023051421424

2023/05/15 · Leave a comment

G7とヒロシマ サミットは核の廃絶を語れ

岩波書店『世界』6月号に「G7とヒロシマ サミットは核の廃絶を語れ」と題する文章を寄せました。ロシアによるウクライナ侵略戦争が続き、岸田政権下で日本の大軍拡が進められている中で、G7という核保有国と核依存国の首脳らが広島に集まります。これに対する市民社会・NGOによる提言を紹介し、G7首脳が被爆地広島から発するべきメッセージと、発してはならないメッセージについて、論じました。 岩波書店『世界』2023年6月号 > https://www.iwanami.co.jp/book/b626485.html

2023/05/08 · Leave a comment

[2023.4] G7広島サミットへ

被団協新聞の4月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 G7広島サミットへ  5月19日に始まるG7広島サミットは、被爆地で開催される初の主要国首脳会合となる。核廃絶に向けてサミットがなすべき事項を端的に3つ挙げたい。 第一に、首脳らは被爆者と会い証言を聞き、原爆資料館をしっかりと見学すべきである。 第二に、首脳宣言は、核兵器のあらゆる使用がもたらす壊滅的な非人道的結末への憂慮を表明すべきである。これは過去のNPT再検討会議で合意されている表現である。核保有3カ国と核傘下4カ国の首脳が再表明することの意義は大きい。 第三に首脳らは「核兵器のいかなる使用・威嚇も許されない」ことを明示的に表明すべきである。昨年11月のG20バリ宣言はこれを表明しているから、G7にもできるはずだ。ロシアの核を非難するのは当然だが、あらゆる核の使用・威嚇が許されないと確認することこそ、その廃絶への第一歩となる。(川崎哲、ピースボート)

2023/04/17 · Leave a comment

[2023.3] 敵基地攻撃

被団協新聞の3月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 敵基地攻撃  政府は昨年末の国家安全保障戦略で「反撃能力」と称する敵基地攻撃能力の保有を決定した。そして長射程ミサイルの購入・配備計画を進めている。 政府は従来、ミサイルの脅威には迎撃網を強化するとしてきた。しかし今回「ミサイル防衛網だけで完全に対応することは難し」いとして「有効な反撃を加える能力」の保有を決めたというのである。 実際に相手からミサイル攻撃があり日本が反撃すれば、さらに相手は反撃してくるだろう。これを迎撃しきれないことは政府が認めているとおりであり、ミサイル撃ち合いの戦争になるのである。 政府は「抑止力の強化」のためだというが、実際にしていることは、抑止が破れて戦争になった場合の戦闘能力の整備だ。それをみた相手も当然、戦闘態勢を強化するだろう。 このような軍拡競争は止め、軍縮外交こそ進めるべきだ。(川崎哲、ピースボート)

2023/03/19 · Leave a comment