川崎哲のブログとノート

ピースボート共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲の活動の紹介、オピニオン、資料などを載せています

[2024.10] カザフのNGO

被団協新聞の10月号に寄せた連載コラム(非核水夫の海上通信)を紹介します。 カザフのNGO  ICANは8月にカザフスタンで核被害者フォーラムを開催するにあたり地元の2NGOの協力を得た。1つは国際安全保障政策センター。代表者アクメトフさんは元外交官だが「政府ではできないことをやりたい」とNGOを立ち上げた。核実験被害者を国際会議に連れてきて実情を訴えるといった活動に長年取り組んでいる。 もう1つは、昨年発足した若者団体STOP。STは草原(ステップ)を指す。20代の彼らが会議を見事に取り仕切ってくれた。最終文書をカザフスタン政府代表に手渡す際、1人が「一言申し上げたい」とマイクをとった。そして、政府が核廃絶を国際社会に訴えているのはよいが、国内の核被害者は未だに十分な援護を受けられていない。政府はもっと被害者に寄り添うべきだと発言。これには大使もたじたじとなっていた。日本とはひと味違う民主主義の力を垣間みた。(川崎哲、ピースボート)

2024/10/23 · Leave a comment

日本被団協のノーベル平和賞受賞にあたって

日本被団協のノーベル平和賞受賞の報を聞き、心から喜んでいます。本当に嬉しいです。これまで、つらい記憶を思い出しながら、きつい体に鞭打ちながら、被爆の実相を語ってきてくださった一人一人のお顔が思い浮かびます。すでに亡くなられた方も数多くいます。そうしたお一人お一人のことを今、考えています。 今こそ世界は、被爆者の声に耳を傾けなければなりません。 ノルウェーノーベル委員会は、世界でまた核兵器が使われるかもしれないという危機的状況である今だからこそ、日本被団協に平和賞を授賞してくださったのだと思います。ヒロシマ・ナガサキを、世界のどこにおいても、決して繰り返してはなりません。 そしてまた、日本においても、戦争体験や被爆体験が風化している現実があります。政治家たちが、核抑止力の強化や、核共有までも口にしている状況です。日本被団協の平和賞受賞は、私たちが改めて、日本が唯一の戦争被爆国であリ、核兵器廃絶に向けて世界を主導する役割を担わなければならないということを思い起こす好機です。 日本は、核兵器禁止条約に署名・批准すべきです。日本政府は、日本被団協に祝辞を贈るのであれば、その中で、日本が核兵器条約への署名・批准を目指すことを明言すべきです。 私は、日本被団協の多くの被爆者の方々から、日本が手にした平和憲法、特に憲法9条がいかに大切であるかを教わってきました。私たちは今こそ、日本の戦後平和主義の原点に立ち返り、武力によらずに諸国民の信頼と国際協調によって平和を作るという原則を高く掲げるべきだと思います。 2024年10月11日 川崎哲 ピースボート共同代表核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員核兵器をなくす日本キャンペーン専務理事

2024/10/11 · 2 Comments